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比良山系 権現山~小女郎池~蓬莱山

個人山行ブログ
12月2日(水)
平のバス停からスタート、権現山、小女郎池、蓬莱山,打見山と歩き、JR志賀に下山しました。コロナ、コロナと言っているうちに、あっという間に12月になり、紅葉も過ぎて、初冬の静かな山となりました。
このコースは琵琶湖の展望がよく、比較的簡単に歩けるコースでよく行きますが、最近は積雪期に行くことが多く、無雪期は久しぶりです。
以前に比べて、シカの食害の影響が大きいのに驚きました。
 
登山口の平のバス停は標高500m程度で、権現山までは500mほどの登りですので、比叡山や愛宕山よりも楽かもしれません。
最初は植林地、登るにつれて落葉樹となりますが、権現山頂上付近はアセビが多くなります。頂上のアセビは一株だけでしたが、花が咲いていました。アセビの開花期は比較的長いそうで、年末に音羽山で見たことがありますが、12月早々に花を見たのは初めてです。他の株も赤い花芽をつけていました。
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最近は積雪期にしか歩いていないので気が付きませんでしたが、アセビの増加には驚きました。以前はこんなにアセビはなく、落葉の低い木が多かったように思います。また以前は春にはツツジも咲いていたように思いますが、今では高木以外はほとんどアセビです。
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シカの食害の影響だと思われます。
シカの口が届かない高木以外は、鹿の食べない(本当に食べるものがなくなれば食べるそうですが)アセビと、これもシカが食べないイワヒメワラビがほとんどです。イワヒメワラビは冬は地下茎を残して枯れるので、茶色に写っています。
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既に登山道の両側に生い茂っているアセビもあります。このままでは、いずれは一面のアセビの森になるかもしれません。花の時期はきれいでしょうが、琵琶湖などの展望もなく、ツツジなどの他の花も見られない、きわめて単調な森になるかもしれません。愛宕山の隣りの地蔵山も昔は背丈以上のササが茂っていましたが、今はアセビオンリーの山となっています。
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リョウブの樹皮はシカの好物のようで、口の高さまできれいに食べられています。落葉樹の間にも既にアセビが侵入していますが、アセビ以外には低い木が見当たりません。今あるこれらの高木が枯れた後は、一面のアセビになるかもしれません。
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蓬莱山の手前には数m四方ほどの、鹿よけネットが張られていました。シカの影響を調べる調査プロットだと思われます。
ネットの中は青々としていますが、ネットの外は鹿の食べないイワヒメワラビばかりで、冬は地下茎を残して枯れるために茶色一色です。ネットの外に生えてくる植物は、シカがイワヒメワラビを残して食べるために、育たないのでしょう。
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ネットの中はササの他、ツツジのような枝ぶりの木が何本も生えていて、幹は1センチ以上になっていました。シカの食害がなければ、こうした植物が育っていくのでしょう。
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 シカが増えた原因は様々言われていますが、人間が引き起こしたことは間違いありません。シカには何の罪もありませんが、頭数を減らさない限り、多くの日本の森はとんでもないことになるかもしれません。
 
この日は晴れてはいましたが、琵琶湖側は霧がかかっていました。蓬莱山の上も青空です。
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低い角度で陽が差していて、反対側に霧がかかるとブロッケンが見られます。気を付けていると、小女郎峠の手前で、かすかですがブロッケンが見られました。
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蓬莱山の手前、小女郎池は八雲ヶ原、ノタノホリと並んで、比良山系の貴重な高層湿原です。
積雪期は雪に覆われているので、小女郎池の水面を見るのも久しぶりです。以前の記憶からすると、周りの草地が増え、水面が小さくなったように思います。
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特に気になったのが、右の方にある峠からの登山道の延長線上の草地が突き出ていることで、以前はこんなに出ていなかったように思います。えぐられた登山道からの土砂が流れ込んでいる可能性があると思いますが、人が歩く以上起こることなので、難しい問題と思います。高層湿原はいずれは消滅するそうですが、人の活動によって、意図しないことといえ、急速に消滅を加速してるようです。
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蓬莱山のスキー場斜面は一面のシカの糞で、夜になると100頭単位のシカが現れてシカの楽園になるそうです。
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この日はウインターシーズンに備えてびわ湖バレーは整備中で、ロープウエーは運休中でした。作業している人以外、観光客、登山客はいなくて静かでしたが、ゲレンデを車が走っていたのは驚きました。
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 ゲレンデの下にもたくさんの自動車が停まっていました。不思議に思って聞いてみると、ロープウエーで運んだということです。
 
登山者がよく歩く打見山のリフト沿いでは階段の設置工事が進められていました。
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これも最近できたのでしょうか、低いですが大きなクライミングウオールです。
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打見山からの下山途中、クロトノハゲです。ここから比良の縦走路が見えます。左から比良岳,烏谷山、堂満岳です。
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少し降りると天狗杉。右の方に延びている太い枝は途中で折れたようで、そこから新しい幹が真っ直ぐ上に伸びています。
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最後はJR志賀駅に下山しました。
もう少しすれば、比良は雪山シーズンです。
K3号

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