大文字山を北面から 滝と城址、そして熊ファミリー?|個人山行ブログ|山行ブログ|湖南岳友会のホームページ

大文字山を北面から 滝と城址、そして熊ファミリー?

個人山行ブログ
10月14日(水)
大文字山はよく登っていますが、先日、私が所属しているフィールドソサエティの山行で、大文字の北面(裏大文字ともいうようです)を初めて歩きました。いつも歩いているところとは違った感じのところが多く、ネットで調べてみると、いろいろ面白そうなコースがあって、ほかの人がアップした軌跡を頼りに歩いてきました。
なお、熊ファミリーというのは、熊の親子に出会ったということではありません。
 
大文字山を京都側から登るときは、いつも地下鉄蹴上駅から南禅寺を通って哲学の道を歩き、法然院を訪れます。この山門のたたずまいが好きで、紅葉の時は向こう側が窓をのぞくようにきれいに見えて多くの人でにぎわいます。
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法然院は観光寺院ではなく参拝自由です。手水鉢はいつもきれいにしてあります。
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北面の最初の中尾城址の入り口は、一般的な大文字火床へのコースから左に入ります。
標識はありません。
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急斜面を登ると中尾城址の標識があります。
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城址といっても山城で、天守閣や石垣はもともとありませんので、気が付かなければ、ただの平坦なピークです。
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 中尾城址は戦国時代の1549年、室町幕府12代将軍足利義晴によって築かれたと言われています。その後、足利将軍家と京都で戦った三好長慶によって攻められ落城し、将軍家は近江に逃れました。歴史上は重要な舞台となった城のようです。
私にはわかりませんが、見る人がみれば、曲輪、土塁、堀切が残っているようです。
 
そこから稜線をたどり、大文字の火床の方向に少し下るときれいな谷があります。先日フィールドソサエティで教えてもらいましたが、イヌシデとアカシデの、それぞれ黄色と赤色の紅葉がすごくきれいになるそうです。
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少し戻って谷への道をたどると中尾の滝があります。小さな滝ですが、緑がきれいです。
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大文字山北面は国土地理院の地図などには全く道はありませんが、ヤマレコを見ると網の目のように軌跡が記録されています。今回、ヤマレコの他の人の軌跡を地図に印刷すると同時に、ヤマップにもダウンロードしましたが、それでも何回も道を間違えました。GPSがあれば助かりますが、ここを地図とコンパスだけで歩くのは相当難しいと思います。
良いことですが、道標も数か所あっただけでほとんどありません。
ここも分岐していて、方向から真っすぐ行きましたが、しばらく行ってから間違いに気が付きました。正解は左でした。
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だいたい踏み跡ははっきりとしていて、好きな人はこの辺をよく歩いているようです。
地図とGPSは必要ですが、特に目的のルートを決めずに、歩き回るのも面白いかもしれません。
 
大文字山の北の尾根に向かうと熊山(349m)です。ここから北に向かって孫熊山、子熊山、曾孫(ひまご)熊山、玄孫(やしゃご、曾孫の子)熊山のプレートのあるピークがあります。
熊山以外は遊び心で誰かが名前をつけたものかもしれません。ネットでは熊ファミリーと呼んでいます。
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ここまでたどり着きましたが、、実生活ではここまで無理で、頑張って長生きして曾孫が見られるかどうかです。
 
玄孫熊山から熊山に引き返し、まっすぐ進むと大文字山頂上の北の尾根になります。
大文字頂上も如意ヶ岳城があって、応仁の乱から信長の時代まで使われていたそうです。
そういえば頂上は平坦になっていて、曲輪の跡なども見る人が見ればわかるそうです。ここからは京都盆地が一望でき、また明智光秀と豊臣秀吉の決戦で有名な天王山もよく見えます。この城は、京と近江を結ぶ交通の要所を押さえる城で、実際の戦には随分重宝されたのでしょう。
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今日は鹿ヶ谷(ししがだに)に下ります。鹿ヶ谷は、平安時代の末期に平氏討伐の密儀がされた場所で、首謀者の一人の俊寛の山荘がありました。俊寛を記念する大きな石碑がありました。
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すぐ近くに楼門の滝があります。大文字山では最大の滝らしいです。10m少しくらいでしょうか。この付近にはお寺の楼門があったようです。
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霊艦寺の横に下山、帰りも哲学の道を歩きました。途中のぞいた永観堂のもみじが1本だけきれいに紅葉していました。紅葉の見ごろはまだ1か月ほど先だと思いますが。
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大文字はよく行きますが、奥の深いことに気が付きました。よく道迷いで遭難の騒ぎがあることに、あらためて納得しました。
GPSと地図の備えをしたうえで、あっちこっちの踏み跡をたどるのも面白いと思います。
K3号

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