10月9日~10日
谷川連峰を谷川岳、清水峠、朝日岳など、逆U字形のコースをぐるりと縦走するのを、谷川岳馬蹄形形縦走といいます。大体1500mから2000mの稜線で、谷川岳のイメージとは違ったおおらかな山容のところも多くあります。時計回り、反時計回りの両方が可能ですが、今回は時計回りで縦走しました。
谷川岳は関西からだと大変遠く、私も初の谷川岳です。
公共交通だと東京に一旦行ってからとなり、夜行バス(格安で3900円)で東京へ、東京では上野公園の博物館(高齢者なので、国立の三館は無料)をはしごして、1時半頃に上野を出発、時間はあるので途中の駅で食事をしながら、普通電車で18時頃に上越線土合駅に到着しました。
土合駅は新清水トンネルの途中にあり、ホームから地上に出るのに462段の階段を登らねばならず、「日本一のモグラ駅」と言われています。
電車を降りたのは私一人で、一人階段を登ります。上の方で観光客らしき若い女性が見下ろしていました。
登山者の文化としては、この土合駅で泊まる(STB:ステーションビバーク)のですが、前日も夜行バスだったこともあり、駅から5分程度のところの天神ロッジに宿泊しました。一般の旅館・ホテルですが、ベッドの相部屋もあり、素泊まり4000円です。平日で6人部屋に私一人、お風呂もあり、極めて快適でした。
10月9日(水)
高気圧が西の方から近づいてきていますが、まだ寒気の影響が残っていて、天気予報では午前中は雨で風も強いということでしたが、夜明け頃には雨も止んでいたので、出発しました。
ロープウエーを使って登ることが多いようですが、ロープウエーに近い田尻尾根を登ります。あまり登られていないようで、道標なども少なかったです。今回の最大の登りでしたが、意外に簡単にロープウエー駅の近くに到着しました。
雨は降らず、風もそんなに強くなかったので、最悪ロープウエーで下山も考えていましたが、進めそうです。南の方は霧が晴れていて、遠くに富士山も望めました。谷川岳頂上から西に延びる稜線も見えてきました。
谷川岳頂上付近はガスで展望がありませんでしたが、だんだんとガスが薄くなってきました。
一ノ倉岳の手前に下を覗きこめるところがあります。「魔の山」といわれる谷川岳を象徴する一ノ倉沢の岩壁が見えます。うっかり転落すると下まで落ちそうです。
谷川岳の遭難死者は800名を超えていますが、その多くはこの一ノ倉沢周辺で発生しています。世界の8000m峰の死者を合計しても650名程度ですので、「世界の山のワースト記録」としてギネスにも記載されいます。
一ノ倉岳の避難小屋です。谷川連峰はこうしたタイプが多く、頑丈ですが、数人しか入れません。
昼過ぎには見晴らしもよくなってきました。目立つ赤い紅葉はツツジのようです。奥にこれから向かう武能岳が見えてきました。
武能岳に到着したころには晴れてきました。これから向かう笹原のおおらかな縦走路が見えてきました。「魔の山」谷川岳のイメージとは全く違った山容です。
一ノ倉岳までは滑りやすい岩が多かったです、この辺からは、やはり滑りやすい泥道が多くなります。
今日のゴールの蓬(よもぎ)峠が見えてきました。正式なテン場ではないようですが、テントを張ることはできます。
小屋の手前、草紅葉の中の池塘です。その向こうに明日歩くことになる朝日岳などの稜線が見えます。
このコースで唯一の有人山小屋 蓬ヒュッテです。平日にもかかわらず、13人の宿泊があり、小さな小屋としてはかなり賑やかでした。
10月10日(木)
今日は朝から快晴。昨日歩いた谷川岳、一ノ倉岳からの稜線に陽がさしてきました。
おおらかな稜線を七ッ小屋山に向かいます。
七ッ小屋山から、これまで歩いた谷川岳(左奥)からの縦走路を振り返ります。
七ッ小屋山の近くの大源太山です。群馬県にはこうした岩峰の山が多いように思います。
清水峠に到着。清水峠は新潟と群馬を結ぶ交通の要所で、明治時代には国道が開通し、今では車両通行不可ですが、国道(291号)扱いは残っているようです。
この付近にはJR東日本の送電線が走っており、この立派な小屋もJR東日本のもので、一般の使用はできません。
登山者用の小屋はこちら。無人ですが、このコースの中では大きく、立派です。
清水峠から北の方に立派な山容の山がありました。帰ってから調べると柄沢山(1900m)で、やぶ山で積雪期に登る山のようです。左奥に見えているのは巻機山(百名山)のようで、この辺で私が登った唯一の山です。米子沢の沢登りの後で通過したのですが、こんな位置関係にあると初めて知りました。
朝日岳の近くになると、谷を挟んで一ノ倉沢周辺の岩壁がよく見えます。多くの登山者が命を落としたところで、穂高、剱とともに日本三大岩壁です。
一方で今立っている朝日岳手前はなだらかで、池塘のある平坦な場所もあります。谷を一つ挟んだわずかな距離で、岩壁の谷川岳とは全く様子が異なります。
登山道の荒れを防ぐための木道の整備などもされています。
朝日岳から、これから下山する稜線と、その奥には昨日登った最初のピークの谷川岳が見えます。ぐるりと回って登山口と同じところに下山します。
最後のピークの白毛門に向かいます。少し高い木も増えてきます。
カエデの類の紅葉もあります。
白毛門を下ったところに、おもしろい岩がありました。
白毛門からは土合に向けて長い下りとなります。滑りやす岩場もあって結構危ないです。
だいぶ下るとブナも出てきましたが、まだ紅葉は早いでした。
土合に下山してから、バスで水上駅へ、帰りはJRの八王子駅からやはり夜行バスで京都に戻りました。
初日の谷川岳頂上付近で展望がなかったのは残念でしたが、ぐるり1周の珍しい縦走コースで、最初は一ノ倉沢の上の切り立った尾根、その後はおおらかな稜線と、変化のある面白いコースでした。
それにしても、関西からは遠いです。
公共交通だと東京に一旦行ってからとなり、夜行バス(格安で3900円)で東京へ、東京では上野公園の博物館(高齢者なので、国立の三館は無料)をはしごして、1時半頃に上野を出発、時間はあるので途中の駅で食事をしながら、普通電車で18時頃に上越線土合駅に到着しました。
土合駅は新清水トンネルの途中にあり、ホームから地上に出るのに462段の階段を登らねばならず、「日本一のモグラ駅」と言われています。
電車を降りたのは私一人で、一人階段を登ります。上の方で観光客らしき若い女性が見下ろしていました。
登山者の文化としては、この土合駅で泊まる(STB:ステーションビバーク)のですが、前日も夜行バスだったこともあり、駅から5分程度のところの天神ロッジに宿泊しました。一般の旅館・ホテルですが、ベッドの相部屋もあり、素泊まり4000円です。平日で6人部屋に私一人、お風呂もあり、極めて快適でした。
10月9日(水)
高気圧が西の方から近づいてきていますが、まだ寒気の影響が残っていて、天気予報では午前中は雨で風も強いということでしたが、夜明け頃には雨も止んでいたので、出発しました。
ロープウエーを使って登ることが多いようですが、ロープウエーに近い田尻尾根を登ります。あまり登られていないようで、道標なども少なかったです。今回の最大の登りでしたが、意外に簡単にロープウエー駅の近くに到着しました。
雨は降らず、風もそんなに強くなかったので、最悪ロープウエーで下山も考えていましたが、進めそうです。南の方は霧が晴れていて、遠くに富士山も望めました。谷川岳頂上から西に延びる稜線も見えてきました。
谷川岳頂上付近はガスで展望がありませんでしたが、だんだんとガスが薄くなってきました。
一ノ倉岳の手前に下を覗きこめるところがあります。「魔の山」といわれる谷川岳を象徴する一ノ倉沢の岩壁が見えます。うっかり転落すると下まで落ちそうです。
谷川岳の遭難死者は800名を超えていますが、その多くはこの一ノ倉沢周辺で発生しています。世界の8000m峰の死者を合計しても650名程度ですので、「世界の山のワースト記録」としてギネスにも記載されいます。
一ノ倉岳の避難小屋です。谷川連峰はこうしたタイプが多く、頑丈ですが、数人しか入れません。
昼過ぎには見晴らしもよくなってきました。目立つ赤い紅葉はツツジのようです。奥にこれから向かう武能岳が見えてきました。
武能岳に到着したころには晴れてきました。これから向かう笹原のおおらかな縦走路が見えてきました。「魔の山」谷川岳のイメージとは全く違った山容です。
一ノ倉岳までは滑りやすい岩が多かったです、この辺からは、やはり滑りやすい泥道が多くなります。
今日のゴールの蓬(よもぎ)峠が見えてきました。正式なテン場ではないようですが、テントを張ることはできます。
小屋の手前、草紅葉の中の池塘です。その向こうに明日歩くことになる朝日岳などの稜線が見えます。
このコースで唯一の有人山小屋 蓬ヒュッテです。平日にもかかわらず、13人の宿泊があり、小さな小屋としてはかなり賑やかでした。
10月10日(木)
今日は朝から快晴。昨日歩いた谷川岳、一ノ倉岳からの稜線に陽がさしてきました。
おおらかな稜線を七ッ小屋山に向かいます。
七ッ小屋山から、これまで歩いた谷川岳(左奥)からの縦走路を振り返ります。
七ッ小屋山の近くの大源太山です。群馬県にはこうした岩峰の山が多いように思います。
清水峠に到着。清水峠は新潟と群馬を結ぶ交通の要所で、明治時代には国道が開通し、今では車両通行不可ですが、国道(291号)扱いは残っているようです。
この付近にはJR東日本の送電線が走っており、この立派な小屋もJR東日本のもので、一般の使用はできません。
登山者用の小屋はこちら。無人ですが、このコースの中では大きく、立派です。
清水峠から北の方に立派な山容の山がありました。帰ってから調べると柄沢山(1900m)で、やぶ山で積雪期に登る山のようです。左奥に見えているのは巻機山(百名山)のようで、この辺で私が登った唯一の山です。米子沢の沢登りの後で通過したのですが、こんな位置関係にあると初めて知りました。
朝日岳の近くになると、谷を挟んで一ノ倉沢周辺の岩壁がよく見えます。多くの登山者が命を落としたところで、穂高、剱とともに日本三大岩壁です。
一方で今立っている朝日岳手前はなだらかで、池塘のある平坦な場所もあります。谷を一つ挟んだわずかな距離で、岩壁の谷川岳とは全く様子が異なります。
登山道の荒れを防ぐための木道の整備などもされています。
朝日岳から、これから下山する稜線と、その奥には昨日登った最初のピークの谷川岳が見えます。ぐるりと回って登山口と同じところに下山します。
最後のピークの白毛門に向かいます。少し高い木も増えてきます。
カエデの類の紅葉もあります。
白毛門を下ったところに、おもしろい岩がありました。
白毛門からは土合に向けて長い下りとなります。滑りやす岩場もあって結構危ないです。
だいぶ下るとブナも出てきましたが、まだ紅葉は早いでした。
土合に下山してから、バスで水上駅へ、帰りはJRの八王子駅からやはり夜行バスで京都に戻りました。
初日の谷川岳頂上付近で展望がなかったのは残念でしたが、ぐるり1周の珍しい縦走コースで、最初は一ノ倉沢の上の切り立った尾根、その後はおおらかな稜線と、変化のある面白いコースでした。
それにしても、関西からは遠いです。
K3号