石鎚山系縦走(瓶ヶ森~石鎚山~堂ヶ森)|個人山行ブログ|山行ブログ|湖南岳友会のホームページ

石鎚山系縦走(瓶ヶ森~石鎚山~堂ヶ森)

個人山行ブログ
2022年5月22日(日)~24日(火)
石鎚山系を8年ぶりに縦走してきました。 前回は同じ2泊3日で笹ヶ峰からテント泊で縦走しましたが、今回は体力的に難しく、途中の瓶ヶ森からの縦走としました。 お天気にも恵まれ、険しい石鎚山頂上付近と、広々とした笹原の両方を楽しむことができました

 
5月22日(日)
早朝に滋賀を出発、新幹線、特急で伊予西条駅へ、そこからバスで登山口の終点の西之川バス停に到着しました。
終点には駐車場があります。 周辺にほとんど人家はありませんので、登山客の車だと思います。
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林道と交差する道を進むと瓶ヶ森の登山口に到着します。
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瓶ヶ森へのメインのルートではないのですが、西条市がきれいな標識を設置しています。
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新しい階段も設けられています。
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最初は人工林でしたが、新緑の広葉樹も現れます。
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ヤマシャクヤクの群落がありました。
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瓶ヶ森が見えてきました。
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瓶ヶ森のテント場に到着。 ササに覆われていますが、所々、テントが張れる大小の裸地があります。
ここまで1パーティしか出会いませんでした。
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どうやらこの付近では「森」は山の頂上を表す言葉のようで、瓶ヶ森もテント場の先にあるピークです。 テント場のある所は、氷見二千石原というらしく、名前のとおり、広々とした笹原が広がっています。
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テント場の近くにはまだ新しい瓶ヶ森避難小屋があります。 四国の石鎚山や剣山は有人の山小屋は少ないですが、避難小屋が充実しています。
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毛布などもあって、きれいな小屋です。
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小屋近くのトイレです。 最新式のもので、用を足した後は自分でハンドルを回して処理をします。 地元の人が時々来てメンテしているようです。 以前に比べると、綺麗なトイレが増えてきました。
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小屋の横に水も引かれていましたが、瓶ヶ森のいわれとなった瓶壺に水を汲みに行きました。 直径が2メートルほど、深さは1メートルほどでしょうか。 小さいものですが、エメラルドグリーンに近い色です。 霊水で病気平癒に効果ありとのことです。
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避難小屋で泊まることも考えましたが、テントにしました。
テント場の先客は一人だけで、どこも傾斜のない適地でかえって迷いました。 風雨の心配がなかったので、ツエルトのテントです。 
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テント場の向こうに、明日向かう石鎚山が見えてます。 少し赤く染まっています。
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雲一つないすっきりとした日没です。
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5月23日(月)
日の出とともに出発。 瓶ヶ森の頂上に到着。 瓶ヶ森は女山と男山があり、最初は女山です。 石鎚山は信仰の山で祠があり、「土山大権現女人道」と書かれています。
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天気は悪くないのですが、朝の早い時期は薄雲があって、石鎚山の眺めはあまり良くありませんでした。 テント場付近も、かすんでいます。
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今回のコース全体を通して、花はミツバツツジが一番目につきました。
8年前の5月中旬に来たときは石鎚山で有名なアケボノツツジが多かったですが、今回はその時期は過ぎていたようです。 
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ミツバツツジと向かい合う白い方はオオカメノキで、滋賀でも見られます。
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コースに時々解説板がありますが、オオカメノキの由来は、葉が大きな亀の甲羅に似ているからだということです。 これなら花の名前を覚えることが苦手な私でも覚えられそうです。
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今日のコースは所々道路と交差して、駐車場や休憩所があります。 休憩所に「熊?出没情報」の掲示がありました。 四国のクマは絶滅寸前で、剣山にわずかに残っているということで、石鎚山系にはいないと思っていましたが、いるとすれば、良い事なのかもしれませんが・・・・
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子持権現山です。 巻き道が左側についていて、前回はそこを通りましたが、今回は頂上を目指します。正面の緑のつながっているところが登れそうです。 頂上から向こうに行くこともできるようですが、巻き道の分岐で荷物を置いて、空身で往復することにしました。
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ほとんどの所で、こうした鎖が付けられています。 傾斜も急で、しっかりした足場がないところもあり、かなり強引に鎖に頼って昇り降りしました。 頂上に祠があると思ったのですが、標識以外はありませんでした。
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シラサ峠の山荘です。 山小屋としては、おしゃれすぎるホテルで、車で来る人が多いようです。 この近くに避難小屋とテント場があり、前回はここでテントを張りました。
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車道から再び登山道に入ると展望のよい笹原となります。
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ここにも伊吹山があります。 「伊吹」とはヒノキ科の常緑小高木ということですが、滋賀の方も含めて、名前のいわれは何でしょうか。
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落葉広葉樹の広がっているところもあり、新緑がきれいです。 秋は来たことがないですが、きれいでしょう。
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石鎚山への高知県側からの登山口になる土小屋です。 国民宿舎があり、大きな駐車場があります。
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土小屋登山口です。 今日もここまで登山道では1パーティしか出会いませんでしたが、急に登山者が増えてきました。
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石鎚山が近くなってきました。 瓶ヶ森のテントばから見た姿と、全く違っています。 東稜(多分正面の尾根)から直接頂上に行くルートもあるようですが、かなり危険なようで、普通は右の方を巻いていきます。
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その巻き道も結構危険なところです。
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桟道がないと、巻き道でも大変なところです。 桟道は新しくて、この日も工事が行われていました。
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雪崩などで流されたのでしょうか、壊れた桟道があります。 シーズン初めには相当な改修工事がされるのでしょう。
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見上げると、こんな尖峰も。
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頂上付近を見上げると、こんなに切り立っています。
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頂上直下で、前回はパスしたのですが、二の鎖と三の鎖を登りました。 子持権現の鎖場よりは簡単のようですが、ここは荷物を背負って登ったので、予想よりは大変でした。
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三の鎖を登りきると石鎚神社があります。 朝夕に神主さんが来て、ここで朝拝、夕拝が行われます。 私も夕拝に参加しました。
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神社のある所が弥山で、その先に最高峰の天狗岳(1982m)があります。 往復しましたが、途中、両側が切り立ったところもあり、結構緊張しました。
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天狗岳山頂は狭いところに祠があります。
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天狗岳付近には、ミツバツツジより色が薄いアケボノツツジが残っていました。
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今日のスタート地点の瓶ヶ森を振りかえります。 縦走路は右の方にぐるっと回りこんでいます。
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この日は頂上山荘に宿泊しました。 コロナの関係で宿泊客同士の間隔は広くとってあり、また、敷布団(マット)以外は、宿泊客が持参することになってっています。

5月24日(火)
この日は朝からすっきりと晴れて、きれいな御来光が見られました。
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天狗岳も少し染まっています。
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これから向かう二ノ森、堂ヶ森への縦走路です。
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あまり歩かれていない道ですが、ササがきれいに切り払われています。
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少し下って頂上山荘を振りかえります。 結構険しいところに建っています。
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笹原をトラバースします。
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石鎚山から二ノ森にかけてはシラベ(シラビソ)が点々と見られます。 解説板によると、氷河期の生き残りで、石鎚山系が南限です。 温暖化が進行した場合は、四国の山からは消失すると言われています。
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二ノ森(1929m)で、最高峰天狗岳と50mほどしか違いません。 天狗岩付近と比べると、どっしりしています。
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西ノ冠山はトラバースしますが、この山も険しそうな山です。 トラバースから分岐する踏み跡程度はありましたが、あまり登られていないようです。
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二ノ森が近づいてきます。
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二ノ森に到着。 石鎚山を振りかえります。 ここには一等三角点があります。
この辺では「森」は山の頂上の意味らしくて、石鎚山の二ノ峰という意味でしょうか。
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二ノ森を越えると、ゴールの堂ヶ森に向けて、なだらかで遮るもののない笹原の縦走路になります。 石鎚山系では、天狗岳付近のごつごつした山容がよく知られていますが、このような縦走路も大きな魅力です。
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ゴールの堂ヶ森がだいぶ近づいてきました。 頂上には電波反射板があります。
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堂ヶ森手前の鞍部に愛媛大学の避難小屋があり、協力金を払えば、一般の人も利用可能のようです。 トイレも瓶ヶ森と同じきれいなバイオトイレがあり、渇水期は心配ですが、近くに水場もあります。
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ゴールの堂ヶ森に到着。 朝から歩いてきた石鎚山、二ノ森を振りかえります。
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後は保井野のバス停に向けて1200mを一気に下ります。 しばらくは、やはり笹原です。
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そのうちササが消えて急斜面となり。 シャクナゲの群落が現れます。 滋賀では今年はシャクナゲが裏年でしたが、ここも咲いている株は少なかったです。 しかし、きれいに咲いている株もありました。
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専門家がシャクナゲは急斜面の崩れやすい所に生えていることが多いそうで、林道を作ってはいけないと言っていましたが、確かに、急斜面の歩きにくい所を下ります。
大きなリョウブがありました。 リョウブの樹皮はシカの好物で、シカの多い所では痛々しい姿になっているものが多いです。 このように樹皮のきれいな大きなリョウブを見たのは初めてです。
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シャクナゲが消えたとたんに傾斜がゆるくなり、落葉広葉樹の気持ちの良い森になります。 秋も来てみたいところです。
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最後は時間に追われながら保井野集会所のバス停に到着。 帰りもほとんど私一人が乗客のバスでJR壬生川駅へ。 京都に縁のある私には「みぶがわ」としか読めませんが、ここでは「にゅうがわ」です。 ただ、バスの運転手さんに「みぶがわ」といって、通じました。
最初は半額ほどですむ高速バスで帰る予定でしたが、「時は金なり」で行きと同様、特急、新幹線で帰りました。 乗り継ぎもよく、下山口から5時間半ほどで自宅に帰ることができました。
石鎚山系は2回とも5月下旬でしたが、秋の紅葉シーズンにも歩きたいと思います。
 K3号

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