2024年7月31日~8月3日
南アルプス南部を、椹島から入り、赤石岳、荒川岳、小河内岳と縦走し、三伏峠から鳥倉へ下山しました。天候にも恵まれ、大きな南アルプスの山々の展望を楽しむことができました。
まるまる4日間のテント泊縦走で歳を考えると不安もありましたが、山と高原地図のコースタイムの4割増しで計画を立て、ゆっくりと歩いたため無事終了することができました。
前日7月30日は早朝に滋賀県を出発、JRで静岡駅へ、そこから畑薙ダムまではバス、ここで東海フォレストの送迎バスに乗り換え椹島に到着しました。JRは2時間ほどでしたが、バスは2本で4時間以上乗りました。
椹島には立派な椹島ロッジがあり、テント場も快適な芝生で、後ろに見えるのは南アルプスを愛した写真家白旗史郎の写真館です。
左側の私のテントは今回がデビューです。30年ほど使った古いテントを買い替えたもので、この歳になって買い替えてどうするんだとも思いましたが、随分と軽く、快適です。
7月31日
最初は南アルプスらしい樹林帯です。赤石小屋のテント場に向けて、1400mほどをひたすら登ります。
南アルプスは森林限界が高いので、2500m以上の赤石小屋でもあまり展望はありません。
12時頃に着きましたが、テント場が狭いので、早く着いて正解でした。水は小屋の前のタンクでいただけました。
8月1日
2700m付近の富士見平に登ると、ようやく展望が開けます。これから登る赤石岳(左)と小赤石岳(右)です。真ん中の尾根を登り、真ん中の小さなピークを目指します。
北側には今日のゴールの荒川中岳(左)と荒川東岳(悪沢岳)が現れました。
そして富士山も顔を出しました。
この辺からお花畑も広がりますが、比較的なだらかな道の割には足元がゴロゴロしていて結構疲れました。
ようやく赤石岳に到着。南アルプスは赤石山脈の通称のようで、標高では北岳や荒川岳などに負けますが、赤石岳は南アルプスの盟主と言えるでしょう。頂上には日本一高い所にある一等三角点が設置されています。
南には聖岳が現れます。距離的には4kmほどですぐ近くですが、アップダウンのある稜線を回り込まなければならないため、赤石岳からの縦走はかなりハードです。
北には荒川岳の向こうに仙丈岳、間ノ岳、農鳥岳などが姿を現します。
赤石岳を下った所から見る小赤石岳です。赤石岳と標高は40mしか変わらず、ここから見ると風格があります。荒川方面から赤石岳を目指すと小赤石岳を赤石頂上と間違えるようで、ダマシ平という地名もあります。
小赤石岳を越えた大聖寺平付近から、これから向かう荒川方面を見ます。ガスがかかってすっきりと見えませんが、縦走路がまっすぐ伸びていて、私の好きな眺めです。
途中の荒川小屋にはとても水量の多い水場がありました。
荒川小屋を過ぎると防鹿柵があり、登山道もその中を通っています。2700mくらいありますが、こんな高い所にもシカの被害があるようです。
お花畑はちょうど見ごろでした。
テント場はないので、今日は荒川中岳避難小屋に泊ります。避難小屋と言っても管理人のいる快適な小屋です。
夕方、悪沢岳(東岳)が夕陽に染まりました。
8月2日
中岳避難小屋から10分ほどの中岳頂上で日の出を迎えます。昨日登った赤石岳が赤く染まります。
いろんなコースを考えましたが、中岳頂上で日の出を迎えたいために今回のコースにしました。
冨士山も雲の上から顔を出します。
夏にしては空気が澄んでいるようで、北アルプスの槍穂高もよく分かりました。
テント装備を避難小屋に置いて、大展望を楽しみながら悪沢岳を往復しました。富士山はいつも見られます。
悪沢岳から見る赤石岳は中岳から見るのと少し感じが違います。赤石山脈の盟主に相応しい堂々とした山容です。
中岳避難小屋に戻り、荒川三山の一つ前岳に登ります。
標識の向こうに亀裂が走っています。その先の西側は大崩壊地になっていてい、この標識もいずれは崩れ落ちるということです。
西側はこんな感じに崩れています。
前岳を過ぎると高山裏避難小屋に向けて600mほど一気に下ります。登るのも大変ですが、下るのも大変です。この辺に来るとほとんど人に出会いません。
小屋の手前に水場がありましたが、小屋付近にも水場があると聞いていたので水を補給しませんでした。
小屋に着くと近くの水場は最近枯れて、15分ほど降りなければならないとのこと。小屋にはポカリスエットなどは売っているのですが、水は売っていないので、少し歩きにくい道を水場へ降りて行きました。枯れた沢をだいぶ下ったところで水がしたたり落ちていました。
南アルプスは稜線を少し下がると水が得られるところが多いです。
夕方、今日降りてきた荒川岳からの斜面が見えます。小屋の泊り客はなく、テント泊が私たちを含めて3人でした。夜中にシカの鳴き声がしました。
8月3日
樹林帯に降りてきているので、朝陽が木々の間からさしています。
今日も所々崩壊地のすぐそばを通ります。写真を撮る余裕がなかったですが、こんな所にハイマツが伸びてきて、乗り越えるのが大変な所もありました。
今日の最高峰、小河内岳に到着。2802mとかなり高い山ですが、名前はあまり知られていません。
しかし南アルプスの中央にあって展望は極めてよく、三伏峠から往復する人にも出会いました。
北側には左から仙丈岳、甲斐駒が岳、北岳、間ノ岳も見えているようで、右端の塩見岳が間近です。
反対側は昨日登った荒川三山です。
その右には、左から赤石岳、奥に聖岳、手前に赤石岳から聖岳の縦走路が見えます。
その先の烏帽子岳からは、もっとすっきりと塩見岳が見えます。椹島に記念館のあった白旗史郎は「南アルプス」(山渓カラーガイド、1971年)で「烏帽子岳は塩見岳の展望台としてはこれ以上のところはない。ただし、眼で見て、という意味で、私の仕事であるカメラにはあまり向かない。」と書いています。
目で見るのと、写真とは違うのでしょうね。
さらに進むと三伏峠の小屋です。人が急に増えてきて、ゆっくりとビール片手に歓談している人もいて、都会に戻った感じです。
三伏峠から鳥倉バス停に向けて800m下ります。急斜面をジグザグに降りるところが多く、桟道などが古くなっているところがあり、急ぐと危ない所もありました。
バスは午後は1本だけで、間に合わないと携帯も通じないところで大変ですが、余裕で間に合いました。
鳥倉登山口からバスでJR伊那大島駅へ、そこから飯田線を逆方向に北に向かい塩尻経由で滋賀に帰りました。伊那谷に降りると車だと高速道路があって楽ですが、JRだと飯田線は大変です。
ヤマップのデータでは4日間で休憩を含む行動時間は33時間、登り4100m、下り3500mで疲れましたが、やっぱりテント泊の縦走はもう少し続けたいと思いました。テントを新調したこともあるので。
椹島には立派な椹島ロッジがあり、テント場も快適な芝生で、後ろに見えるのは南アルプスを愛した写真家白旗史郎の写真館です。
左側の私のテントは今回がデビューです。30年ほど使った古いテントを買い替えたもので、この歳になって買い替えてどうするんだとも思いましたが、随分と軽く、快適です。
7月31日
最初は南アルプスらしい樹林帯です。赤石小屋のテント場に向けて、1400mほどをひたすら登ります。
南アルプスは森林限界が高いので、2500m以上の赤石小屋でもあまり展望はありません。
12時頃に着きましたが、テント場が狭いので、早く着いて正解でした。水は小屋の前のタンクでいただけました。
8月1日
2700m付近の富士見平に登ると、ようやく展望が開けます。これから登る赤石岳(左)と小赤石岳(右)です。真ん中の尾根を登り、真ん中の小さなピークを目指します。
北側には今日のゴールの荒川中岳(左)と荒川東岳(悪沢岳)が現れました。
そして富士山も顔を出しました。
この辺からお花畑も広がりますが、比較的なだらかな道の割には足元がゴロゴロしていて結構疲れました。
ようやく赤石岳に到着。南アルプスは赤石山脈の通称のようで、標高では北岳や荒川岳などに負けますが、赤石岳は南アルプスの盟主と言えるでしょう。頂上には日本一高い所にある一等三角点が設置されています。
南には聖岳が現れます。距離的には4kmほどですぐ近くですが、アップダウンのある稜線を回り込まなければならないため、赤石岳からの縦走はかなりハードです。
北には荒川岳の向こうに仙丈岳、間ノ岳、農鳥岳などが姿を現します。
赤石岳を下った所から見る小赤石岳です。赤石岳と標高は40mしか変わらず、ここから見ると風格があります。荒川方面から赤石岳を目指すと小赤石岳を赤石頂上と間違えるようで、ダマシ平という地名もあります。
小赤石岳を越えた大聖寺平付近から、これから向かう荒川方面を見ます。ガスがかかってすっきりと見えませんが、縦走路がまっすぐ伸びていて、私の好きな眺めです。
途中の荒川小屋にはとても水量の多い水場がありました。
荒川小屋を過ぎると防鹿柵があり、登山道もその中を通っています。2700mくらいありますが、こんな高い所にもシカの被害があるようです。
お花畑はちょうど見ごろでした。
テント場はないので、今日は荒川中岳避難小屋に泊ります。避難小屋と言っても管理人のいる快適な小屋です。
夕方、悪沢岳(東岳)が夕陽に染まりました。
8月2日
中岳避難小屋から10分ほどの中岳頂上で日の出を迎えます。昨日登った赤石岳が赤く染まります。
いろんなコースを考えましたが、中岳頂上で日の出を迎えたいために今回のコースにしました。
冨士山も雲の上から顔を出します。
夏にしては空気が澄んでいるようで、北アルプスの槍穂高もよく分かりました。
テント装備を避難小屋に置いて、大展望を楽しみながら悪沢岳を往復しました。富士山はいつも見られます。
悪沢岳から見る赤石岳は中岳から見るのと少し感じが違います。赤石山脈の盟主に相応しい堂々とした山容です。
中岳避難小屋に戻り、荒川三山の一つ前岳に登ります。
標識の向こうに亀裂が走っています。その先の西側は大崩壊地になっていてい、この標識もいずれは崩れ落ちるということです。
西側はこんな感じに崩れています。
前岳を過ぎると高山裏避難小屋に向けて600mほど一気に下ります。登るのも大変ですが、下るのも大変です。この辺に来るとほとんど人に出会いません。
小屋の手前に水場がありましたが、小屋付近にも水場があると聞いていたので水を補給しませんでした。
小屋に着くと近くの水場は最近枯れて、15分ほど降りなければならないとのこと。小屋にはポカリスエットなどは売っているのですが、水は売っていないので、少し歩きにくい道を水場へ降りて行きました。枯れた沢をだいぶ下ったところで水がしたたり落ちていました。
南アルプスは稜線を少し下がると水が得られるところが多いです。
夕方、今日降りてきた荒川岳からの斜面が見えます。小屋の泊り客はなく、テント泊が私たちを含めて3人でした。夜中にシカの鳴き声がしました。
8月3日
樹林帯に降りてきているので、朝陽が木々の間からさしています。
今日も所々崩壊地のすぐそばを通ります。写真を撮る余裕がなかったですが、こんな所にハイマツが伸びてきて、乗り越えるのが大変な所もありました。
今日の最高峰、小河内岳に到着。2802mとかなり高い山ですが、名前はあまり知られていません。
しかし南アルプスの中央にあって展望は極めてよく、三伏峠から往復する人にも出会いました。
北側には左から仙丈岳、甲斐駒が岳、北岳、間ノ岳も見えているようで、右端の塩見岳が間近です。
反対側は昨日登った荒川三山です。
その右には、左から赤石岳、奥に聖岳、手前に赤石岳から聖岳の縦走路が見えます。
その先の烏帽子岳からは、もっとすっきりと塩見岳が見えます。椹島に記念館のあった白旗史郎は「南アルプス」(山渓カラーガイド、1971年)で「烏帽子岳は塩見岳の展望台としてはこれ以上のところはない。ただし、眼で見て、という意味で、私の仕事であるカメラにはあまり向かない。」と書いています。
目で見るのと、写真とは違うのでしょうね。
さらに進むと三伏峠の小屋です。人が急に増えてきて、ゆっくりとビール片手に歓談している人もいて、都会に戻った感じです。
三伏峠から鳥倉バス停に向けて800m下ります。急斜面をジグザグに降りるところが多く、桟道などが古くなっているところがあり、急ぐと危ない所もありました。
バスは午後は1本だけで、間に合わないと携帯も通じないところで大変ですが、余裕で間に合いました。
鳥倉登山口からバスでJR伊那大島駅へ、そこから飯田線を逆方向に北に向かい塩尻経由で滋賀に帰りました。伊那谷に降りると車だと高速道路があって楽ですが、JRだと飯田線は大変です。
ヤマップのデータでは4日間で休憩を含む行動時間は33時間、登り4100m、下り3500mで疲れましたが、やっぱりテント泊の縦走はもう少し続けたいと思いました。テントを新調したこともあるので。
K3号