2024年5月3日~5日
大峰山系の八経ヶ岳から山上ヶ岳を2泊3日のテント泊で縦走しました。
これまで山上ヶ岳から八経ヶ岳に縦走することが多かったのですが、今回は単独のテント泊なので逆コースが楽と思ってこの方向にしました。それでも年齢のせいもあって、また、思っていたよりコースの厳しい所もあって、やはり大変でした。
テントサイトは3回とも快適でした。
前日は昼前に滋賀を出発、天川川合でバスを降り、そこのオートキャンプ場でテント泊しました。連休中は予約で一杯だそうですが、この日は平日で、広いテント場も私一人のようでした。
5月3日
テント場からすぐに登山道に入ります。最初から急登で、こんな鉄製の階段が出てきました。木製よりもしっかりしているように見えますが、これでも崩れているところもありました。
しばらく登るとブナが現れてきます。
この辺は「入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林」に指定されています。
新緑の歩きやすい道です。
少し登ってブナが目立ちますが、新緑には少し早いようです。
狼平に到着、弥山川に合流します。
ここから弥山川に下るコースは「危険につき通行禁止」となっています。50年ほど前に下ったときは急な梯子が多かったものの、そんなに危険なコースとは思いませんでした。コースの状況が変わったか、若かったので、危険を感じることがなかったかもしれません。
狼平の避難小屋はきれいな小屋です。
弥山にかけての登山道はシカよけのネットがあり、出入り口の扉があります。
階段も増えてきます。人が増えるとこれも止むを得ないかもしれません。
弥山小屋周辺のテント場はいくつかに分散していて、多くのテントで賑わっていました。まだ早い時間に到着したので、少しご近所と接近していますが、よい場所に張ることができました。
テントを張ってから八経ヶ岳を往復しました。オオヤマレンゲもシカの食害で困っているようで、防鹿柵に守られています。
八経ヶ岳頂上からは、明日たどることになる大普賢から山上ヶ岳の稜線が見えます。
5月4日
雲一つない快晴の夜明けを、テントを片付けながら迎えました。天候が良すぎて、すっきりはしていますが、あまり面白みのない御来光でした。
紀伊半島は山また山で、谷間には雲海となっています。
弥山からの下りは急で、いきなり疲れ時間もかかりました。急斜面を降り切った聖宝の宿跡には、修験道を確立したとされる聖宝理源大師の立派な像があります。
この奥駈道には随所に祈祷する場所があり、お札が残されています。日本の山は宗教と切り離せませんが、特に大峰山は宗教との関係が強いです。
奥駆道出合は、行者還トンネル西口の駐車場から往復する人で賑わっていました。
奥駆道出合を越えると、ぐっと人が少なくなります。道も快適になります。
面白い形の高木で、樹皮からするとシロヤシオだと思います。この稜線はシャクナゲで有名ですが、少し遅れて咲くシロヤシオもたくさんあるようです。時期が合えばきれいだと思います。
振りかえると弥山からの急斜面の下りが見えます。
進行方向には特徴のある大普賢岳です。
歩きやすい道を過ぎると、ごつごつした石灰岩の岩が現れ、鈴鹿の御池岳などと似ています。近くには鍾乳洞もあり、カルスト台地の地形のようです。
このコースはバイケイソウ(コバイケイソウ?)の群落が多くあります。バイケイソウは毒があってシカが食べないので、その影響かもしれません。
稜線の新緑は少し早いようです。
ハウチワカエデの新緑が多かったです。
行者還避難小屋と行者還岳です。行者還岳は縦走路から少し離れているので省略しました。
行者還避難小屋を過ぎると、道が険しくなります。
シャクナゲが咲きかけていますが、全体に今年の出来は良くないようです。
シャクナゲのある所には林道は造らないという話を聞いたことがあります。崩れやすいような地質の所をシャクナゲは好むようで、確かにシャクナゲのある所は登山道も歩きにくい急な斜面が多いように思います。
七曜岳の下りも鎖場がある結構厳しい斜面でした。以前ならこういうところが楽しかったのですが、今日は疲れもたまっていて、大変でした。
大普賢岳がだいぶ近くになってきました。
山上ヶ岳も間近になり、写真を拡大すると本堂の屋根が見えます。
弥山から9時間かけて、ようやく大普賢岳に到着。周りは山また山。遠くには昨年末に縦走した葛城山から金剛山の稜線も見えました。
大普賢岳から北に進むと山上ヶ岳方面には「女人結界門」があります。ここから先は女性が入ることはできず、理解を求める案内板もありました。
大普賢岳からも思っているより時間がかかり、ようやく小笹宿のテント場に到着しました。ここには奥駆行をする人のための小屋があり、その周りがテント場になっています。この辺一帯は熊野吉野国立公園の一部で、指定地以外はテント泊禁止のはずですが、古くから修験の道であるので、大目に見ているのでしょうか。
10以上のテントが張られていて、一人だと夜中にクマが出てきたらと心配していたのですが、杞憂でした。
今日も極めて快適なテント場で、下はフカフカの苔でクッションだけならマットはいらないくらいです。
5月5日
今日は山上ヶ岳を越えて下山するだけなので朝はゆっくりと出発。山上ヶ岳までは歩きやすい見晴らしの良い道を進みます。
稲村ケ岳の岩峰です。
ゴールの山上ヶ岳に到着。昨日歩いた弥山からの稜線が見えます。
頂上付近はきれいな笹原になっています。ミヤコザサで50センチ以上になるらしいですが、低く刈り込まれたようになっています。シカが食べて刈り込んでくれたのではと思います。おかげで気持ちのよい景色になっていますが、複雑です。昨日の縦走路も明るい尾根ですが、シカの影響があるのかもしれません。
下った所にも「従是女人結界」の大きな石柱が。
車道を銅川バス停に向かいます。途中に名水百選「洞川湧水群(ごろごろ水)」があります。
この辺まで来ると、ゴールデンウイークの多くの観光客でにぎわっていました。
下山した洞川のバス停は、登山口の天川川合の近くで、ぐるっと回ったような形になりました。車を使っても可能な縦走コースですが、男性限定となります。
5月3日
テント場からすぐに登山道に入ります。最初から急登で、こんな鉄製の階段が出てきました。木製よりもしっかりしているように見えますが、これでも崩れているところもありました。
しばらく登るとブナが現れてきます。
この辺は「入谷ブナ・ツガ・ウラジロモミ希少個体群保護林」に指定されています。
新緑の歩きやすい道です。
少し登ってブナが目立ちますが、新緑には少し早いようです。
狼平に到着、弥山川に合流します。
ここから弥山川に下るコースは「危険につき通行禁止」となっています。50年ほど前に下ったときは急な梯子が多かったものの、そんなに危険なコースとは思いませんでした。コースの状況が変わったか、若かったので、危険を感じることがなかったかもしれません。
狼平の避難小屋はきれいな小屋です。
弥山にかけての登山道はシカよけのネットがあり、出入り口の扉があります。
階段も増えてきます。人が増えるとこれも止むを得ないかもしれません。
弥山小屋周辺のテント場はいくつかに分散していて、多くのテントで賑わっていました。まだ早い時間に到着したので、少しご近所と接近していますが、よい場所に張ることができました。
テントを張ってから八経ヶ岳を往復しました。オオヤマレンゲもシカの食害で困っているようで、防鹿柵に守られています。
八経ヶ岳頂上からは、明日たどることになる大普賢から山上ヶ岳の稜線が見えます。
5月4日
雲一つない快晴の夜明けを、テントを片付けながら迎えました。天候が良すぎて、すっきりはしていますが、あまり面白みのない御来光でした。
紀伊半島は山また山で、谷間には雲海となっています。
弥山からの下りは急で、いきなり疲れ時間もかかりました。急斜面を降り切った聖宝の宿跡には、修験道を確立したとされる聖宝理源大師の立派な像があります。
この奥駈道には随所に祈祷する場所があり、お札が残されています。日本の山は宗教と切り離せませんが、特に大峰山は宗教との関係が強いです。
奥駆道出合は、行者還トンネル西口の駐車場から往復する人で賑わっていました。
奥駆道出合を越えると、ぐっと人が少なくなります。道も快適になります。
面白い形の高木で、樹皮からするとシロヤシオだと思います。この稜線はシャクナゲで有名ですが、少し遅れて咲くシロヤシオもたくさんあるようです。時期が合えばきれいだと思います。
振りかえると弥山からの急斜面の下りが見えます。
進行方向には特徴のある大普賢岳です。
歩きやすい道を過ぎると、ごつごつした石灰岩の岩が現れ、鈴鹿の御池岳などと似ています。近くには鍾乳洞もあり、カルスト台地の地形のようです。
このコースはバイケイソウ(コバイケイソウ?)の群落が多くあります。バイケイソウは毒があってシカが食べないので、その影響かもしれません。
稜線の新緑は少し早いようです。
ハウチワカエデの新緑が多かったです。
行者還避難小屋と行者還岳です。行者還岳は縦走路から少し離れているので省略しました。
行者還避難小屋を過ぎると、道が険しくなります。
シャクナゲが咲きかけていますが、全体に今年の出来は良くないようです。
シャクナゲのある所には林道は造らないという話を聞いたことがあります。崩れやすいような地質の所をシャクナゲは好むようで、確かにシャクナゲのある所は登山道も歩きにくい急な斜面が多いように思います。
七曜岳の下りも鎖場がある結構厳しい斜面でした。以前ならこういうところが楽しかったのですが、今日は疲れもたまっていて、大変でした。
大普賢岳がだいぶ近くになってきました。
山上ヶ岳も間近になり、写真を拡大すると本堂の屋根が見えます。
弥山から9時間かけて、ようやく大普賢岳に到着。周りは山また山。遠くには昨年末に縦走した葛城山から金剛山の稜線も見えました。
大普賢岳から北に進むと山上ヶ岳方面には「女人結界門」があります。ここから先は女性が入ることはできず、理解を求める案内板もありました。
大普賢岳からも思っているより時間がかかり、ようやく小笹宿のテント場に到着しました。ここには奥駆行をする人のための小屋があり、その周りがテント場になっています。この辺一帯は熊野吉野国立公園の一部で、指定地以外はテント泊禁止のはずですが、古くから修験の道であるので、大目に見ているのでしょうか。
10以上のテントが張られていて、一人だと夜中にクマが出てきたらと心配していたのですが、杞憂でした。
今日も極めて快適なテント場で、下はフカフカの苔でクッションだけならマットはいらないくらいです。
5月5日
今日は山上ヶ岳を越えて下山するだけなので朝はゆっくりと出発。山上ヶ岳までは歩きやすい見晴らしの良い道を進みます。
稲村ケ岳の岩峰です。
ゴールの山上ヶ岳に到着。昨日歩いた弥山からの稜線が見えます。
頂上付近はきれいな笹原になっています。ミヤコザサで50センチ以上になるらしいですが、低く刈り込まれたようになっています。シカが食べて刈り込んでくれたのではと思います。おかげで気持ちのよい景色になっていますが、複雑です。昨日の縦走路も明るい尾根ですが、シカの影響があるのかもしれません。
下った所にも「従是女人結界」の大きな石柱が。
車道を銅川バス停に向かいます。途中に名水百選「洞川湧水群(ごろごろ水)」があります。
この辺まで来ると、ゴールデンウイークの多くの観光客でにぎわっていました。
下山した洞川のバス停は、登山口の天川川合の近くで、ぐるっと回ったような形になりました。車を使っても可能な縦走コースですが、男性限定となります。
K3号