2022年8月9日~10日
乗鞍岳は私にとって最後の3000m峰です。「山高きがゆえに尊からず」で、3000m未満でも剱岳をはじめに、それぞれ素晴らしい山があるではないか、との突っ込みもありそうですが、・・・
乗鞍岳はバスで頂上まで登る山という印象があって、積雪期以外はこれまで登山の対象と思っていなかったのですが、調べてみると普通の登山道もあることが分かりました。展望には恵まれませんでしたが、花も多く、思っていたより面白いコースでした。
前日は平湯キャンプ場に泊まりました。JR高山駅からバス1本で簡単に行けるところで、上高地に行くときも通過する馴染みのあるところです。
自分のテントを張る場所もありましたが、楽をして常設のテントを使いました。入場料700円プラス常設テント利用代2500円で、カプセルホテル程度の料金です。10人くらいは泊まれそうですので、大勢で利用すれば安くなります。
テーブルもついていて快適でした。
ここは車で来てファミリーなど大勢で利用するところで、随分と場違いなところに来てしまいました。
8月9日(火)
朝起きると、いきなり雨。すぐに止みましたが、1時間ほど遅らせて出発しました。
最初はスキー場の中を歩きます。正面に見える尾根に乗るようです。
ほどなく青空が現れてきました。シラカバがきれいです。
スキー場と林道(スキー場の整備用道路?)を1時間半ほど歩くと登山口になります。
熊笹が刈り取られています。利用者の少ない登山道にもかかわらず、よく整備されています。ここまで草刈り機を持ってくるだけでも大変で、有難いことです。
見晴らしの良いところに出ましたが、天気は良くありません。
2400m付近にクルマユリがひっそりと咲いていました。
すぐ先にニッコウキスゲの群落がありました。
高山帯下部の森林限界に生息するクモマベニヒカゲのようです。
森林限界付近で展望は開けてきましたが、天候はすっきりしません。
硫黄岳を望みます。晴れていれば、この辺から槍穂高など北アルプスの山が見えるようですが。
硫黄岳をトラバースすると、明るい尾根が開けます。
乗鞍岳が火山であることに気が付きました。
砂礫帯が現れ、コマクサが咲いていました。
さらに進むとお花畑になりました。
自動車道に合流しました。ここまでは5人ほどの人にしか出会いませんでした。
しばらくは自動車道を歩きます。左側は桔梗ケ原という平原で、お花畑になっています。
自動車道を離れて大国岳、富士見岳付近は登山道になります。
桔梗ケ原から大国岳、富士見岳にかけてはコマクサの群落が広がっています。私がこれまで見た中では、一番大きなコマクサの群落でした。
大国岳の手前でライチョウに出会いました。ハイマツから出てきて私の前をしばらく歩いていましが、私の方に向いて座り込んで何かつついています。
顔を上げると確かにライチョウです。真正面から見ると、丸々としています。
この時期、母親は雛と一緒にいますので、これは雄のようです。雄は子育ては雌に任して、ぶらぶらしているようです。
日本ではライチョウは神の鳥として大事にされてきたため、人を恐れません。私はしばらく前に進めずにいましたが、やがて登山道を離れていきました。
富士見岳の手前から、向こうに見えるのが畳平バスターミナルのようです。ここにも前にコマクサが広がっています。
今日は標高差が1500mほどあり、時間も予想以上にかかって疲れました。
この日は肩の小屋に宿泊。大きな小屋ですが宿泊客は7人で、私は8畳ほどの部屋に一人でし
た。
8月10日(水)
翌朝は霧、風も強かったので頂上まで行くか迷ったのですが、少し様子を見てから出発しました。1時間弱で頂上です。霧で展望はなく、頂上には10人程度。多いときはこの標識に写真待ちの行列ができるそうです。
一瞬太陽の輪郭が見えましたが、すぐにまた見晴らしはなくなりました。
小屋に戻って少しゆっくりしてから下山します。
登山道の周りにはお花畑が広がります。ここのチングルマは既に綿毛になっていますが、
すぐそばのチングルマは満開です。ほとんど同じ場所ですが、開花時期は何で決まるのでしょうか。
お花畑の向こう側から声が聞こえてきたので何かと思えば、残雪でスキーです。
自動車道を横切って、今度は沢を下ります。
この沢も花でいっぱいです。
こんな所を通らずにバスで通過するのはもったいないです。この下山路でも10人程度の人しか出会わず、ゆっくりと花を楽しめます。
岩の上に仏像がありました。日本の山は宗教と切り離せません。
それから何度も自動車道と合流し、離れます。このように分かりやすく方向が表示されているところもありますが、下の方では分かりにくいところもありました。スマホのアプリが役立ちます。
やがて岩がゴロゴロした沢になりました。慣れない人は車道を歩くように表示がありました。
沢登りのゴーロ歩きの感じになってきて、濡れているところもあり、何回か転びました。
ゴーロ歩きを終わると位ヶ原山荘で、自転車がスタンドに掛けてありました。
知らなかったのですが、乗鞍岳はサイクリングのルートになっていて、自転車で一番高くまで行けるところです。
皆さん頑張って登って行かれますが、帰りは気持ち良いでしょう。
スピード注意の表示もあり、私も最後の国民宿舎の所では、見通しの悪いカーブの近くを横切ろうとして、あやうくぶつかりそうになりました。全く音のしない自転車が、超高速で下ってくるので、怖いです。
最後の方は歩きやすい登山道になります。若い頃はこのような登山道は退屈でしたが、最近は気持ちの良い所と思うようになりました。
所々、「くまよけ」があって音を立てるようになっています。2009年に畳平で観光客にクマが襲いかかって10人が重軽傷を負うという事故がありました。
私も山行中に音を立てるのは嫌ですが、今回は熊鈴をつけました。
最後はバス停のある国民宿舎に到着、そこで日帰り温泉に入り、バスにちょうど良い時間となりました。バスで新島々駅、そこから電車で松本駅経由で滋賀に帰りました。
これまで無雪期の乗鞍岳は登山の対象ではなかったですが、今回のルートは結構よかったです。天候の良いときにまた行ってみたいですが、今回のルートだと体力的に難しくなるかもしれません。
飛騨側からだと長時間で途中に泊まる所がないので、信州側から入った方が楽かもしれません。
もう何年かすれば、バスで登って、のんびりと散策するというのが一番現実性があるかもしれません。
自分のテントを張る場所もありましたが、楽をして常設のテントを使いました。入場料700円プラス常設テント利用代2500円で、カプセルホテル程度の料金です。10人くらいは泊まれそうですので、大勢で利用すれば安くなります。
テーブルもついていて快適でした。
ここは車で来てファミリーなど大勢で利用するところで、随分と場違いなところに来てしまいました。
8月9日(火)
朝起きると、いきなり雨。すぐに止みましたが、1時間ほど遅らせて出発しました。
最初はスキー場の中を歩きます。正面に見える尾根に乗るようです。
ほどなく青空が現れてきました。シラカバがきれいです。
スキー場と林道(スキー場の整備用道路?)を1時間半ほど歩くと登山口になります。
熊笹が刈り取られています。利用者の少ない登山道にもかかわらず、よく整備されています。ここまで草刈り機を持ってくるだけでも大変で、有難いことです。
見晴らしの良いところに出ましたが、天気は良くありません。
2400m付近にクルマユリがひっそりと咲いていました。
すぐ先にニッコウキスゲの群落がありました。
高山帯下部の森林限界に生息するクモマベニヒカゲのようです。
森林限界付近で展望は開けてきましたが、天候はすっきりしません。
硫黄岳を望みます。晴れていれば、この辺から槍穂高など北アルプスの山が見えるようですが。
硫黄岳をトラバースすると、明るい尾根が開けます。
乗鞍岳が火山であることに気が付きました。
砂礫帯が現れ、コマクサが咲いていました。
さらに進むとお花畑になりました。
自動車道に合流しました。ここまでは5人ほどの人にしか出会いませんでした。
しばらくは自動車道を歩きます。左側は桔梗ケ原という平原で、お花畑になっています。
自動車道を離れて大国岳、富士見岳付近は登山道になります。
桔梗ケ原から大国岳、富士見岳にかけてはコマクサの群落が広がっています。私がこれまで見た中では、一番大きなコマクサの群落でした。
大国岳の手前でライチョウに出会いました。ハイマツから出てきて私の前をしばらく歩いていましが、私の方に向いて座り込んで何かつついています。
顔を上げると確かにライチョウです。真正面から見ると、丸々としています。
この時期、母親は雛と一緒にいますので、これは雄のようです。雄は子育ては雌に任して、ぶらぶらしているようです。
日本ではライチョウは神の鳥として大事にされてきたため、人を恐れません。私はしばらく前に進めずにいましたが、やがて登山道を離れていきました。
富士見岳の手前から、向こうに見えるのが畳平バスターミナルのようです。ここにも前にコマクサが広がっています。
今日は標高差が1500mほどあり、時間も予想以上にかかって疲れました。
この日は肩の小屋に宿泊。大きな小屋ですが宿泊客は7人で、私は8畳ほどの部屋に一人でし
た。
8月10日(水)
翌朝は霧、風も強かったので頂上まで行くか迷ったのですが、少し様子を見てから出発しました。1時間弱で頂上です。霧で展望はなく、頂上には10人程度。多いときはこの標識に写真待ちの行列ができるそうです。
一瞬太陽の輪郭が見えましたが、すぐにまた見晴らしはなくなりました。
小屋に戻って少しゆっくりしてから下山します。
登山道の周りにはお花畑が広がります。ここのチングルマは既に綿毛になっていますが、
すぐそばのチングルマは満開です。ほとんど同じ場所ですが、開花時期は何で決まるのでしょうか。
お花畑の向こう側から声が聞こえてきたので何かと思えば、残雪でスキーです。
自動車道を横切って、今度は沢を下ります。
この沢も花でいっぱいです。
こんな所を通らずにバスで通過するのはもったいないです。この下山路でも10人程度の人しか出会わず、ゆっくりと花を楽しめます。
岩の上に仏像がありました。日本の山は宗教と切り離せません。
それから何度も自動車道と合流し、離れます。このように分かりやすく方向が表示されているところもありますが、下の方では分かりにくいところもありました。スマホのアプリが役立ちます。
やがて岩がゴロゴロした沢になりました。慣れない人は車道を歩くように表示がありました。
沢登りのゴーロ歩きの感じになってきて、濡れているところもあり、何回か転びました。
ゴーロ歩きを終わると位ヶ原山荘で、自転車がスタンドに掛けてありました。
知らなかったのですが、乗鞍岳はサイクリングのルートになっていて、自転車で一番高くまで行けるところです。
皆さん頑張って登って行かれますが、帰りは気持ち良いでしょう。
スピード注意の表示もあり、私も最後の国民宿舎の所では、見通しの悪いカーブの近くを横切ろうとして、あやうくぶつかりそうになりました。全く音のしない自転車が、超高速で下ってくるので、怖いです。
最後の方は歩きやすい登山道になります。若い頃はこのような登山道は退屈でしたが、最近は気持ちの良い所と思うようになりました。
所々、「くまよけ」があって音を立てるようになっています。2009年に畳平で観光客にクマが襲いかかって10人が重軽傷を負うという事故がありました。
私も山行中に音を立てるのは嫌ですが、今回は熊鈴をつけました。
最後はバス停のある国民宿舎に到着、そこで日帰り温泉に入り、バスにちょうど良い時間となりました。バスで新島々駅、そこから電車で松本駅経由で滋賀に帰りました。
これまで無雪期の乗鞍岳は登山の対象ではなかったですが、今回のルートは結構よかったです。天候の良いときにまた行ってみたいですが、今回のルートだと体力的に難しくなるかもしれません。
飛騨側からだと長時間で途中に泊まる所がないので、信州側から入った方が楽かもしれません。
もう何年かすれば、バスで登って、のんびりと散策するというのが一番現実性があるかもしれません。
K3号