8月4日から前夜発3泊4日で、北アルプスの太郎平から雲ノ平、三俣蓮華、黒部五郎の周回ルートを歩いてきました。好天に恵まれ、変化のある楽しいコースでした。
当初は雲ノ平か黒部五郎のどちらかを考えていましたが、3泊にして太郎平から周回コースで両方行くコースを計画しました。
Kさん、Tさんとの3人パーティです。
8月3日(水)の16時に野洲駅を出発、有峰林道亀谷料金所に20時半頃に到着しました。
林道のゲートは20時から翌日6時まで閉まっており、料金所前の駐車場でテント泊しました。
8月4日(木)
ゲートが開く6時前にはずらりと車が並んでいました。
折立の駐車場は結構混んでいました。周辺にはテント場、トイレ、水場、休憩所などが整備されています。
7時に登山口を出発し、太郎兵衛平に向かいました。
最初は急登ですが次第に緩やかになります。放っておくと登山道がどんどん広がっていくので、木道や石畳が整備されている所が多くなります。
太郎兵衛平を経て12頃に薬師峠テント場に到着。平日でしたが、次第にテントが増えてきました。トイレ、水場も整備されていて、快適なテント場です。
テントの前にライチョウが現れたと思いましたが、ハトでした。ネットで調べるとキジバト(別名ヤマバト)らしいですが、こんな高い所で見るのは初めてです。
今回の山行で、ライチョウの鳴き声は何回か聞きましたが、姿を見ることはできませんでした。
新月に近かったため、夜にテントの外に出ると星がきれいで、久しぶりに天の川を見ました。
8月5日(金)
昨日は時々ガスがかかって夕方には雨が降りましたが、今日は朝から晴で、最初はガスのかかっていた雲ノ平も次第に見えてきました。
太郎兵衛平から200m以上一気に樹林帯を下ると少し緩やかになり、明るい所に出ます。
太郎兵衛平から2時間少しで薬師沢小屋に到着。多くの人でにぎわっていて、若い人や釣り人も多くいました。
小屋の下にはきれいな黒部川(奥の廊下)が流れています。さかのぼると赤木沢へ、下っていくと高天原に出られます。
小屋の前から吊り橋を渡り、いよいよ今日のがんばり所、雲ノ平に向けて500mほどの急登です。
このコースは45年前に歩きましたが、その時は大変ばてて、雲ノ平までしか行けず、その後、再度行く気があまりしませんでした。今回は意外に簡単に雲ノ平の端に出ることができました。体力は落ちているはずですが、要領よくなったのと、最初から覚悟を決めて歩いたせいかもしれません。
薬師沢小屋から2時間弱で平坦な見晴らしの良い所に出ました。薬師岳がきれいです。
雲ノ平の一番端のアラスカ庭園付近を歩きます。雲ノ平はほとんど木道の上を歩きます。45年前に来たときは木道はもちろんなかったと思います。
奥日本庭園です。薬師岳の形が少しづつ変わっていきます。
雲ノ平近くの小高い丘、祖母岳(アルプス庭園)から見下ろします。写真ではなかなか表現できませんが、雲ノ平の広々とした溶岩台地が広がっています。後ろの水晶岳(黒岳)も立派です。
あちこちに池塘が点在しています。遠くに見えるのは水晶岳から延びる赤牛だけです。
雲ノ平だけでなく、今回のコースは至る所お花畑でした。花の名前に疎い私にはたくさんの種類の高山植物があったとしか言えません。一番目立ったのはチングルマで、ほとんどは花が終わって綿毛になっていましたが、ほんの一部で花の残っている所もありました。
歩いているときはほとんど人に出会わなかったので、まだまだここを訪れる人は少ないと思っていましたが、雲ノ平山荘に寄ると、今日は定員の3倍の予約が入っているということです。「日本最後の秘境と呼ばれる」と紹介している地図もあり、人気が出ているようです。
スイス庭園、日本庭園などを経て、祖父岳の南を200m以上急降下、鷲羽岳に源を発する黒部川の源流にたどり着きます。
「黒部川水源地」の標識があります。
ここから暑い中を三俣山荘までの急坂を登り、14時半に三俣山荘に到着、今日は小屋泊りです。小屋の前からは鷲羽岳が雄大です。
本山荘の開設者である伊藤正一氏は、この6月に亡くなられましたが、置いてある本の中に、山岳写真家の白簱史朗氏が伊藤氏に贈られた本がありました。
北アルプスの高山でも鹿の被害が心配されるということで、三俣山荘の夕食は捕獲した鹿のシチューでした。
8月7日(土)
寝過ごしてしまって出発が40分ほど遅れました。山荘を出発した時には三俣蓮華岳は朝陽に染まっていました。今日は朝から快晴です。
少し登った所からの槍・穂高の稜線です。7月に歩いた西穂から奥穂の稜線もよく見えます。
三俣蓮華岳頂上に到着。昨日はよく分からなかったカールを前面にした黒部五郎岳が見えます。
三俣蓮華頂上で。右に見えるのは笠ヶ岳です。
三俣蓮華岳付近から見た雲ノ平です。黒部川からせり上がる溶岩台地の形がよく分かります。
笠ヶ岳がすぐ近くに見えます。実際に歩いてもそうですが、抜戸岳から延びる稜線が長いです。
黒部五郎岳のカールに到着しました。いつまでもいたくなるような所です。
名前の由来の大きな岩がたくさんあります。
カールの中に水が流れていて、とてもおいしかったです。
カールの底から急斜面を登って、もうすぐ頂上です。
黒部五郎岳の頂上。バックは薬師岳です。
黒部五郎頂上から、ゴールの太郎兵衛平に向かう稜線が初めて見えました。実におおらかな稜線ですが、意外とアップダウンを感じて時間がかかりました。
中俣乗越付近です。この辺から太郎兵衛平の間にもあちこち池塘があります。赤木沢の沢登りを終えた若者が休んでいました。後ろはまた形が変わった薬師岳です。
予想以上に時間がかかって太郎兵衛平に16時頃に到着、今日も11時間の行程になりました。
ここで小屋の生ビールで乾杯しました。テント場まで20分ほど、テント場にもビールが売っていましたが、17時で終了です。
テント場からは今日登った黒部五郎岳が、違った姿で見えました。今日は昼から薄いガスが時々流れた程度で、最後まで良い天気でした。
8月7日(日)
今日は降りるだけ。
太郎平小屋では前の広場でラジオ体操がありました。毎日やっているのでしょう。
久しぶりにラジオに合わせて第2体操までやりました。
太郎兵衛平で黒部五郎方面の展望はお別れです。
登ってこられる多くの人とお互いに道を譲りながら10時頃に折立に下山しました。
登り始めるは気付きませんでしたが、登山口の立派な木です。
吉峰温泉で入浴、16時頃に野洲に帰ってきました。
直前まで不安定な天候が続いていましたが、晴れ男のKさんのおかげで好天に恵まれました。
今回のコースでは若い人や、以前はめったにいなかった単独の女性、それもテント泊の人に多く出会いました。比較的マイナーなコースにもかかわらず平日も含めて小屋も満員で、登山者人口の増加も定着したようです。
一方で定員をはるかにオーバーする小屋、荒れている登山道、鹿の被害など、最初の「山の日」を迎えて、登山をめぐる課題は多いようです。
Kさん、Tさんとの3人パーティです。
8月3日(水)の16時に野洲駅を出発、有峰林道亀谷料金所に20時半頃に到着しました。
林道のゲートは20時から翌日6時まで閉まっており、料金所前の駐車場でテント泊しました。
8月4日(木)
ゲートが開く6時前にはずらりと車が並んでいました。
折立の駐車場は結構混んでいました。周辺にはテント場、トイレ、水場、休憩所などが整備されています。
7時に登山口を出発し、太郎兵衛平に向かいました。
最初は急登ですが次第に緩やかになります。放っておくと登山道がどんどん広がっていくので、木道や石畳が整備されている所が多くなります。
太郎兵衛平を経て12頃に薬師峠テント場に到着。平日でしたが、次第にテントが増えてきました。トイレ、水場も整備されていて、快適なテント場です。
テントの前にライチョウが現れたと思いましたが、ハトでした。ネットで調べるとキジバト(別名ヤマバト)らしいですが、こんな高い所で見るのは初めてです。
今回の山行で、ライチョウの鳴き声は何回か聞きましたが、姿を見ることはできませんでした。
新月に近かったため、夜にテントの外に出ると星がきれいで、久しぶりに天の川を見ました。
8月5日(金)
昨日は時々ガスがかかって夕方には雨が降りましたが、今日は朝から晴で、最初はガスのかかっていた雲ノ平も次第に見えてきました。
太郎兵衛平から200m以上一気に樹林帯を下ると少し緩やかになり、明るい所に出ます。
太郎兵衛平から2時間少しで薬師沢小屋に到着。多くの人でにぎわっていて、若い人や釣り人も多くいました。
小屋の下にはきれいな黒部川(奥の廊下)が流れています。さかのぼると赤木沢へ、下っていくと高天原に出られます。
小屋の前から吊り橋を渡り、いよいよ今日のがんばり所、雲ノ平に向けて500mほどの急登です。
このコースは45年前に歩きましたが、その時は大変ばてて、雲ノ平までしか行けず、その後、再度行く気があまりしませんでした。今回は意外に簡単に雲ノ平の端に出ることができました。体力は落ちているはずですが、要領よくなったのと、最初から覚悟を決めて歩いたせいかもしれません。
薬師沢小屋から2時間弱で平坦な見晴らしの良い所に出ました。薬師岳がきれいです。
雲ノ平の一番端のアラスカ庭園付近を歩きます。雲ノ平はほとんど木道の上を歩きます。45年前に来たときは木道はもちろんなかったと思います。
奥日本庭園です。薬師岳の形が少しづつ変わっていきます。
雲ノ平近くの小高い丘、祖母岳(アルプス庭園)から見下ろします。写真ではなかなか表現できませんが、雲ノ平の広々とした溶岩台地が広がっています。後ろの水晶岳(黒岳)も立派です。
あちこちに池塘が点在しています。遠くに見えるのは水晶岳から延びる赤牛だけです。
雲ノ平だけでなく、今回のコースは至る所お花畑でした。花の名前に疎い私にはたくさんの種類の高山植物があったとしか言えません。一番目立ったのはチングルマで、ほとんどは花が終わって綿毛になっていましたが、ほんの一部で花の残っている所もありました。
歩いているときはほとんど人に出会わなかったので、まだまだここを訪れる人は少ないと思っていましたが、雲ノ平山荘に寄ると、今日は定員の3倍の予約が入っているということです。「日本最後の秘境と呼ばれる」と紹介している地図もあり、人気が出ているようです。
スイス庭園、日本庭園などを経て、祖父岳の南を200m以上急降下、鷲羽岳に源を発する黒部川の源流にたどり着きます。
「黒部川水源地」の標識があります。
ここから暑い中を三俣山荘までの急坂を登り、14時半に三俣山荘に到着、今日は小屋泊りです。小屋の前からは鷲羽岳が雄大です。
本山荘の開設者である伊藤正一氏は、この6月に亡くなられましたが、置いてある本の中に、山岳写真家の白簱史朗氏が伊藤氏に贈られた本がありました。
北アルプスの高山でも鹿の被害が心配されるということで、三俣山荘の夕食は捕獲した鹿のシチューでした。
8月7日(土)
寝過ごしてしまって出発が40分ほど遅れました。山荘を出発した時には三俣蓮華岳は朝陽に染まっていました。今日は朝から快晴です。
少し登った所からの槍・穂高の稜線です。7月に歩いた西穂から奥穂の稜線もよく見えます。
三俣蓮華岳頂上に到着。昨日はよく分からなかったカールを前面にした黒部五郎岳が見えます。
三俣蓮華頂上で。右に見えるのは笠ヶ岳です。
三俣蓮華岳付近から見た雲ノ平です。黒部川からせり上がる溶岩台地の形がよく分かります。
笠ヶ岳がすぐ近くに見えます。実際に歩いてもそうですが、抜戸岳から延びる稜線が長いです。
黒部五郎岳のカールに到着しました。いつまでもいたくなるような所です。
名前の由来の大きな岩がたくさんあります。
カールの中に水が流れていて、とてもおいしかったです。
カールの底から急斜面を登って、もうすぐ頂上です。
黒部五郎岳の頂上。バックは薬師岳です。
黒部五郎頂上から、ゴールの太郎兵衛平に向かう稜線が初めて見えました。実におおらかな稜線ですが、意外とアップダウンを感じて時間がかかりました。
中俣乗越付近です。この辺から太郎兵衛平の間にもあちこち池塘があります。赤木沢の沢登りを終えた若者が休んでいました。後ろはまた形が変わった薬師岳です。
予想以上に時間がかかって太郎兵衛平に16時頃に到着、今日も11時間の行程になりました。
ここで小屋の生ビールで乾杯しました。テント場まで20分ほど、テント場にもビールが売っていましたが、17時で終了です。
テント場からは今日登った黒部五郎岳が、違った姿で見えました。今日は昼から薄いガスが時々流れた程度で、最後まで良い天気でした。
8月7日(日)
今日は降りるだけ。
太郎平小屋では前の広場でラジオ体操がありました。毎日やっているのでしょう。
久しぶりにラジオに合わせて第2体操までやりました。
太郎兵衛平で黒部五郎方面の展望はお別れです。
登ってこられる多くの人とお互いに道を譲りながら10時頃に折立に下山しました。
登り始めるは気付きませんでしたが、登山口の立派な木です。
吉峰温泉で入浴、16時頃に野洲に帰ってきました。
直前まで不安定な天候が続いていましたが、晴れ男のKさんのおかげで好天に恵まれました。
今回のコースでは若い人や、以前はめったにいなかった単独の女性、それもテント泊の人に多く出会いました。比較的マイナーなコースにもかかわらず平日も含めて小屋も満員で、登山者人口の増加も定着したようです。
一方で定員をはるかにオーバーする小屋、荒れている登山道、鹿の被害など、最初の「山の日」を迎えて、登山をめぐる課題は多いようです。
K3号