1978年から続く山歩き・登山のクラブ『湖南岳友会』

７月２３日（月）
滋賀県を電車で早朝に出発、JR穂高駅からタクシーで中房温泉へ。
１１時に中房温泉の登山口を出発し、北アルプス三大急登の一つである合戦尾根を登ります。うまい具合に休憩のベンチがあるのですが、第２ベンチで休まなかったために、暑さのせいもあって、ばてました。
合戦小屋ではお約束のスイカをかぶりつきます。


燕山荘のある稜線に出れば燕岳がきれいに見えましたが、今日は遅いので登るのは明朝にしました。


テント場の確保が心配でしたが、平日ということもあって、１６時過ぎでもまだ少し余裕がありました。土日なら、この時間だと無理でしょう。私たちのテントは一番手前の緑色の４テンですが、こんな大きなテントは最近は少ないようです。


７月２４日（火）
夜明け前に燕岳頂上に向かいます。日の出もきれいで、今日も好天です。


これから向かう槍ヶ岳にも陽がさします。


燕岳付近には花崗岩の風化したおもしろい岩がたくさんあります。
これが有名なイルカ岩。


眼鏡岩というのもありました。


天を仰いで考え込んでいる人のように見えます。


蛙（げーろ）岩付近の岩。動物が空を見上げて万歳しているのか。


燕山荘の前で。いよいよ出発です。


まずは大天井岳に向けて。あまりアップダウンのない道が続きます。


燕岳から大天井岳にかけてはコマクサが多いですが、この間の酷暑と少雨の影響で、元気がないように思いました。チングルマもすでに綿毛になっていたものもありました。


大天井岳が近づいてきます。頂上直下の左側斜面にトラバース道が見えます。


大天井岳の分岐に小林喜作のレリーフがあります。猟師であった小林喜作は、１００年近く前に大天井から槍に至る喜作新道を独力で開き、その後、表銀座コースとして多くの登山者に親しまれています。


大天井の頂上に向かいます。きれいな青空です。


大天井頂上で。少しは槍ヶ岳が近づいてきたかも。


今日のテント場の西岳に向かう稜線が、槍の手前に見えます。

ヒュッテ西岳のテント場も、全部で５張り程度ですいていました。

７月２５日（水）
すっきりとした日の出にはなりませんでしたが、今日も良い天気です。


ヒュッテ西岳のテント場は、槍ヶ岳などを見る絶好のロケーションにあります。槍ヶ岳に陽がさしてきました。


ヒュッテ西岳から足場の悪い急斜面を一気に200ｍ下ります。以前よりは整備されているようです。


槍の北鎌尾根が、きれいに見えます。岳友会でも２度歩きました。


槍が近づいてきますが、まだ途中にピークがあって上り下りします。アクセサリーの温度計では３０℃を示していて、暑いです。
今年は表銀座を紹介しているの雑誌が多くありましたが、平日ということもあり、あまり人には出会いませんでした。


小屋も見えてもう少しですが、その距離が長い。この付近から見る槍は形が良いです。


７月三連休は肩から頂上に登るのに２時間待ちだったそうですが、今日の槍の頂上は１０人程度でした。


表銀座コースはここで終了ですが、欲張って南岳を目指します。
最初のピークは大喰岳（おおばみだけ）で、頂上直下に雪が残っていました。暑くてちょうどかき氷を食べたかったところで、きれいなところを食べています。
お腹のきれいな良い子は、まねをしないでください。


槍と南岳の間のほとんど3000ｍ以上の稜線を歩きます。大喰岳と中岳の下りは結構歩きにくいです。東側には残雪が多くあり、水の得られる所もあります。


南岳手前は緩やかな道になります。


ピークとしては最終ゴールの南岳です。


南岳のテント場も余裕がありました。
到着後しばらくはガスがかかっていましたが、日没直前にガスが晴れてきて、北穂の滝谷が少し色づきました。


陽が沈んでからも夕焼けがきれいでした。見えているのは笠ヶ岳です。

７月２６日（木）
日の出１５分ほど前の北穂で、この時が一番色がついていました。


晴れてはいましたが、日の出の方向に雲がかかっていて、日の出後の写真はつまらないものになりました。山の写真は条件が厳しくて難しいです。
今日は南岳の先まで戻り、上高地の方に降ります。
南岳から（左から）前穂、北穂、奥穂と南岳小屋を見ます。


南岳から更に少し戻ります。


笠ヶ岳が近くに見えます。


天狗原へ降りるコースは急斜面の難路で、結構疲れます。


今回初めての残雪の上を歩きます。


天狗原に到着、槍が一番きれいに見えると言われるところです。


天狗原には残雪が多いですが、天狗池だけは融けていて、槍が映っています。


見どころはここで終了。あとは７時間以上、上高地バスターミナルまで延々と歩きました。
横尾山荘付近からは前穂東壁が見えます。井上靖の小説「氷壁」のモチーフとなったナイロンザイル切断事件が起こったところです。


上高地からはタクシーで平湯温泉へ、そこからバスで高山へ、さらにバスで岐阜へ、岐阜からはJRで滋賀に帰りました。

表銀座のコースは４９年前に初めて歩いて以来、何度も歩きました。
展望の良い尾根を、常に槍を見ながら歩ける、大変すばらしい縦走路と思います。
また歩きたいですが、今度はテント泊は無理かもしれません。