大杉谷(下流から七ツ釜滝までの往復)|個人山行ブログ|山行ブログ|湖南岳友会のホームページ

大杉谷(下流から七ツ釜滝までの往復)

個人山行ブログ
2022年11月8日(火)
大杉谷を、下流の登山口から七ツ釜滝まで往復しました。
大杉谷は若い頃に何度か行きましたが、最後に行ったのが1983年で、ほぼ40年ぶりとなりました。
登山口付近のキャンプ場で前泊しての日帰り登山のため、七ツ釜滝までの往復となりました。
メンバーはKさんと二人です。
前日は登山口から車で半時間ほどの手前の大杉谷林間キャンプ場で前泊。快適なキャンプ場で、平日で利用者も私たち以外は1組だけでした。

当日は6時頃に登山口を出発、すぐに大日嵓(くら)です。嵓は「切り立った崖」という意味で、この先に平等嵓、上の大台ヶ原にも大蛇嵓があります。
断崖の上の狭い道になりますが、しっかりとした鎖が付けられています。横や頭上の岩が荒々しく削られていて、大規模な工事がなされたようです。
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 紅葉とエメラルドグリーンの流れがきれいです。今回のコースはカエデの類はほとんどなく、全体に常緑樹が目立って、紅葉はもう一つでした。
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狭い谷間に日が差してくると、山肌の紅葉はきれいです。
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河原には大きな岩がゴロゴロしていて、大昔のことと思いますが、上から落ちてきたときは凄まじい様子だったでしょう。
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最初に現れるのは千尋の滝です。稜線から落ちてくるような感じで、滝口がどうなっているのか、知りたいところです。大杉谷にある7つの滝のうち、一番落差があるそうです。名前の由来はよく分かりませんが、「尋」は両手を広げた大きさに由来するようで、大きく広がっているからでしょうか。
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次がよく紹介されるシシ淵です。右側から突き出ている岩がライオンに似ているからと思ったのですが、ネットで調べると、諸説あるようですが、イノシシが名前の由来という記事がありました。奥に見えるのがニコニコ滝です。
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シシ淵から少し進むとニコニコ滝が正面から見られます。変わった名前で、ネットで由来を調べてもよく分かりませんでした。
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更に進むと平等嵓の岩壁がそびえています。なかなか下の方まで陽が届きません。
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平等嵓にかかる吊り橋が、一番長く、高く感じられました。
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桃の木山の家に到着しました。
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 最初の目標が桃の木山の家でしたが、予定より早く着いたので、さらに先の七ツ釜滝を目指しました。
七ツ釜の滝です。大杉谷では一番立派な滝だと思います。
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以前はここに吊り橋がありました。古いポジフィルムを引っ張り出してきてデジタル化しましたが、変色が激しく、いっそのこと白黒にしました。少し上に橋を見下ろす所があり、そこから撮ったのだと思います。吊り橋を人が渡っているのがなんとか分かります。
ポスターなどにもよく使われた景色で、著作権の関係で掲載できませんが、きれいな写真は次のブログをクリックして見てください。
大杉谷 七ツ釜滝 七ツ釜滝吊橋 桃ノ木山の家 (fc2.com)
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七ツ釜滝の近くからは全貌は見えず、七つも滝がありませんが、下流にあるこの滝も、七ツ釜滝の一部と思います。
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上流には光滝、堂倉滝などがありますが、今回はここで戻ります。

桃ノ木山の家の前に架かる桃の木橋の銘板で、建設されたのが1982年となっています。「準拠基準」など、ずいぶんと詳細な説明があります。
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この橋が造られた3年前の1979年に、大杉谷では堂倉滝で吊り橋の切断事故があり、一人が死亡しています。「通行は一人ずつ」と書かれていたのに多くの人が渡ろうとしたこと、国立公園内であったこともあり、事故の責任を巡って裁判となりました。
この事故以降、全国的にも登山道の安全には随分と神経を尖らせることになり、この橋を含めて、大杉谷の吊り橋も付け替えられたと思います。
吊り橋以外も安全を最優先に、岩盤に発破をかけて登山道を整備するなど、自然破壊ともいわれるような対策が行われたというネットの記事もありました。事故前に通ったときは、最初に通る大日嵓のしっかりした鎖も無く、また足元も、きれいに削られていなかったたような記憶があります。
事故後、通行再開となった直後にも訪れましたが、七ツ釜滝の橋が撤去されるなど、確かに安全になった反面、以前の面白さは少なくなったように思います。登山の安全と面白さのバランスを取るのは、永遠の課題でしょうか。
  
下山は同じコースを引き返します。
ゴールは最初に通った大日嵓です。左側に道が付けられていますが、その下は滑り台のようになっています。
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登山口には緊急通報の無料の公衆電話がありました。この電話は有難いですが、大杉谷は携帯電話の通じるところはありませんので、途中で事故があって救助要請するときは、登山口のこの電話か、桃の木山の家まで行かなければならないので、覚悟が必要です。
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以前は簡単なコースと思っていましたが、歳のせいでバランスも悪くなっているせいでしょうか、結構危ないコースと再認識しました。
黒部の下の廊下よりも、大杉谷の方が、足元が悪く、滑りやすい所も多く、危ないような感じがします。
K3号

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