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麓からの富士登山

個人山行ブログ
昨夏に続いて馬返しからの富士登山、そして今年は六合目から富士吉田の火祭を見ようと計画して出かけたのだが・・・・・。
2017年8月25日(金)~28日(月) 参加者 男5名

今夏の天候は全国的に不安定でどうなるかと気にかけながら出かける。

◎ 1日目 25日(金)曇りがち
早朝マイカーで出発、昼前富士吉田登山口の馬返しに到着、駐車は50台程度、昨年より多いよう。
昼食をとり12時10分出発し、今日は5合目の佐藤小屋まで。
富士山麓を覆う樹林帯の中を歩くが天気もまずまずで快適。道中、各合目を表す富士登山俯瞰図の石柱、昔、富士講が盛んであった頃の茶店小屋跡・宿舎跡など史跡が残り、解説板も随所に整備され往時を偲ばせ興味が尽きない。
また、昔は大勢の人で賑わったのだろうが道も広く整備され至って歩きやすい。広い樹林帯を延々と歩くが巨木や枯れた老体木あり、ときには倒木が一面苔に覆われたり、視界の遠くまで続く樹林帯など飽きることがない。時折、荒々しい涸れ沢が横切ったりで懐の大きさを教えてくれる。高度を上げるに従い樹種も変わり6合目以上の火山礫帯とはまるで違った風景を見せてくれる。
   各合目にある登山道俯瞰図 
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       1合目に残る茶店休憩小屋
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    最初は道幅も広く整備されている登山道
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     樹林帯も深く一面苔むしている
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    3合目の茶店小屋、往時は賑わったことでしょう
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宿舎小屋跡に設置された説明板 随所に整備され、当時の写真姿には興味が尽きない。
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   5合目近くの登山道、この辺りには高山花も数種目立つ
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100年続く佐藤小屋、冬の利用者多く、現在の主人は4代目
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5合目までバスで行く富士登山が現在主流ではあるが、まるで違う富士登山の良さは麓から歩くことで気づかされる。
3時間ほどで5合目、佐藤小屋に到着、夕飯は鍋料理で美味しくいただく。今夜はゆっくりと休み明日の本番に備えよう。
前年に比し今年は麓道を利用する人が多いが、なぜかここを素通りして7・8合目まで登る人が多い。上の小屋の混雑を考えると、ここをねぐらにした方がどれほど良いか知らない人が多いようだ。それとも時間に余裕がないのか・・・

◎ 2日目 26日(土) 曇り 時々晴れ 霧

ヤマテン予報では午前晴れ、午後雨 遅く雷かもと。 心して登ることに。

朝は弁当にしてもらい、5時出発、天気は悪くないが、風は強い。 何回登っても道は記憶に薄い。けれど、歩いていると場所ごとに記憶が甦る。
6合目に入ると植物はなく、7合目までは九十九折の火山砂礫道、7~8合目は火山礫の岩稜帯での急登、特に通称8合目は高度差長く、どこが正式8合目かわからない。8~9合目は比較的細かい砂礫帯で歩きやすく、最後の9合目から上はまたも岩稜帯最難所で山頂へ。

毎回、山頂に近づくにつれ苦しくなるが、回を増すごとに一段と苦しくなる。特に今年は風が強く(予報では12~13m/s)体を持っていかれそうになり、岩稜帯では要注意、砂礫帯では砂塵に苦しむ。 悪戦苦闘の末、やっと山頂を踏むことが出来た。出発して6時間20分かかる。
幸い、雨予報にかかわらず雨にはならなかったが山頂付近は霧で視界は悪く、火口壁は全く見えず、風も強く寒い。 昼食後、早々に退散だ。

その前に数え70歳以上の記帳は忘れてはならない。記帳該当者は二人、登頂記念の扇子とお神酒をありがたくいただく。(昨年の登頂者リストによると該当者は1840名、最高齢者は96歳)
年末の浅間大社から記帳者に送られる製本を楽しみにしよう。
        早朝、佐藤小屋からの日出
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   7合目から河口湖方面(北方向)の外輪山
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   8合目から箱根方向(東方向)、雲の上に山なみが浮かぶ
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     9合目上、岩稜帯を登る登山者の列
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       山頂直下、鳥居前での登頂記念に
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山頂は霧の中、登山者は結構いたが強風で寒く、ほとんどが小屋の中に避難
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今回は山頂で景色を楽しむこともままならず、早々に退散。
一挙に3時間15分かけて今日の6合目宿舎まで下山。最初は登りの苦しさも消え快調だったが、下るにつれ負担が足を重くする。 合計10時間15分の行程はかなり堪える。

6合目、登山路と下山路が交差する場所では、登りのツアー登山者でごったがえしていた。おそらく今夏最後の休日利用のためだろう。 また外国人の多さにも驚く、一見日本人より外国人の方が多いように見られる。世界遺産指定の影響も大きいのだろう。

今夜の宿舎、6合目星観荘前のベンチでまずはビールで乾杯。ホット一息。
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星観荘での夕飯は野外での鉄板肉野菜炒め、豪快な料理を楽しむ
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夕刻、小屋前から仰ぎ見る山頂。すっきりと晴れていた。
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もう一つの目的である6合目から富士吉田の火祭を見る計画は下界の雲に遮られ見られず。残念!
 
◎ 3日目 27日(日) 曇り

   出発時、小屋スタッフと一緒に記念写真  
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馬返しまでの下りは快調に。 登山口直前のお休み処でボランテァの人たちに呼び止められお茶の接待を受ける。 申請すれば、麓から山頂までの登山者には登山認定証が発行される制度があるという。ただし、麓と山頂での本人が写る証拠写真が必要とのこと。 当然該当者に当たるので申請書に記入し富士吉田市内の「道の駅」で発行してもらう。
記念になるので皆さんも次回登山時にはぜひゲットしてください。

  富士登山認定書、今年の認定証発行数190番目と記載されている。
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下山後、車で箱根経由湯河原温泉に向かう。 ところが出発直後、富士吉田火祭ロードレースのため通行止めに遭遇。迂回路はなく、仕方なく道路脇で応援する羽目に。1時間半待たされる。

山麓コースを走るランナー。 参加者は4000人を超えるという。
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紹介者のアドバイスに従い、富士山からは少々遠いが湯河原温泉まで移動。今日は夏休み最後の日曜日、2時間の予定が御殿場市内・箱根界隈の渋滞で3時間かかり、やっと目的地、湯河原の山荘「豊仙」に到着。

山荘「豊仙」の外観。温泉街からは離れているがすぐ奥には有名な湯河原梅園がある。
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登山の疲れを癒すには最高の場所、料理・温泉・ふかふか布団は文句なし。
特に良心的な宿泊料に比較し料理は最高のもてなし。夕食朝食ともに全員完食。
料金が間違いかと・・・・・ついつい考えてしまう。

朝食セット例。 右上は火入り湯豆腐桶。ついついおいしくて満腹状態。
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◎ 4日目 28日(月) 曇り

ゆっくりと山荘を9時出発で帰路に着く。途中、焼津ICで高速降り焼津魚市場へと。海鮮料理を食す予定だったが全員朝食の満杯状態が解消できず食事は諦め、一夜干しのみを手に入れ再度高速に戻る。
菩提寺PA 16時着。 ここで解散となる。


最後に、これから富士登山に挑戦したい人にぜひお薦めしたいのは麓からの登山です。
1日目は山麓樹林帯を往時の富士講の人たちが歩いた道を偲び、2日目は本格的な富士登山を体験してほしい。 山麓からは大変だと言う人が多いが、それは錯覚、5合目で宿泊すればゆっくりと休め高度にも慣れるので、7~8合目の出入りの多い込み合った小屋にとまるよりは、むしろ楽なくらいです。 ぜひお薦めしたいです。
以上
By しばちゃん


 

この記事へのコメント

≫ Sayo | 2017年08月30日10時04分
登頂おめでとうございます!!
下界から天気予報にヤキモキ でも雨に遭わず私もホッです。
最後の鳥居直前の苦しさ それをくぐった時のうれしさですね。
2泊目を六合目小屋にして正解 ぐっすり眠れたことでしょう。
それにしても80才目前トリオ すばらしいチャレンジ精神に感服。
大病を得て 改めて皆さんのすばらしい健康をうらやましく思います。「富士登山認定書」は70歳未満でもいけますね アレ欲しい!
再び体力が戻り 再チャレンジできたら必ずゲットします。
≫ ♪岳美♪ | 2017年08月30日10時30分
【富士山登山認定書】
★しばちゃん 以下4名の男性諸君★
 一段と光ってますね!!!
40周年記念Tシャツの背中にプリントしたい気持ちです
昨年に続き本年も登頂
【日本一の富士山に望む、チャレンジ精神】
年末の記録史の最高齢は96歳
しばちゃん まだまだ挑戦が続きそう?!
来年は、♪岳美♪もしっかり70歳越え
しばちゃんに、お供したいです(夢)
≫ ♪岳美♪ | 2017年08月30日11時01分
★よしくんへ
富士山登頂頑張ったね(●^o^●)
・小屋からの日の出 ・箱根方面の山なみ ・山頂の霧の中
どの写真も、現場の空気・香り・風が伝わって来そう~~
登頂者と同じ、空気感は得られ無いけれど、生きるエネルギーを貰います、何度も見ています。「ありがとう」
≫ Masakensamba | 2017年08月30日13時08分
アラエイティのお3人に脱帽です。 歩行障害で山を中断してかれこれ早や4年。 いつかは一度はと思っていた富士登頂も未だ果たせず。 富士山といえば、もう10年以上も前になりますか、ふもとっぱらに泊まり周辺の毛無山や越前岳からみなさんと眺めた眼前の雄大な富士。 「やっぱり富士は日本一の山」としみじみ思ったものです。アラエイティの皆さんとは一回り歳下の私め。 頑張らなくっちゃ。
≫ しばちゃん | 2017年08月30日18時04分
それぞれのコメントありがとうございます。
山頂近くではさすがに今年が最後かと一時は思いましたが、時間の経過とともにまた来年もと頭を擡げます。
山頂での浅間大社記帳は数え70歳以上が条件ですが、麓から山頂までの登山認定書は年齢制限ありません。
皆さん、来夏頑張って挑戦してみてください。
≫ 向かいのミヤジ | 2017年09月01日22時08分
改めて富士登山の写真や感想に触れて、日常の「柴田さん」と雲の上の「しばちゃん」の大いなる違いを感じます。私も仲間のアラエイテイっていい感じですね。
≫ よしくん | 2017年09月16日12時54分
♪岳美♪さん
ありがとう、頑張ったでしょう。。。。。
今度、ご一緒しましょう。岳美さんの写真も撮りますよ!

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