12月11日~12日 大阪のダイアモンドトレール、いわゆるダイトレの中心部(大和葛城山~金剛山~岩湧山)を1泊2日で縦走しました。階段の多さにはうんざりしましたが、最後の岩湧山の眺めに慰められました。
12月11日(日)
大阪のダイアモンドレールは1970年に大阪府によって整備された自然歩道で、ネットの情報によると比良縦走、六甲縦走とならぶ関西地方を代表する縦走路とされています。
私が以前所属していた大阪労山では、毎年ここで縦走大会が行われていて、私も21年前の若かりし頃(と言っても、今からするとですが)に参加しました。
コースは二上山から金剛山を経て紀見峠までの40kmで、その時に7時間15分で歩けた(走った?)ことから、1日目は二上山から金剛山まで楽勝と思ったのですが、昭文社などのコースタイムを調べると、とても無理ということが分かり、途中の大和葛城山から入ることにしました。
自宅の瀬田駅を6時過ぎに出て、JR、近鉄、バスを乗り継いで葛城ロープウエー前に9時頃に到着、ここから右の車道を少し進んですぐに登山道に入ります。
少し寄り道をしてクジラの滝を見に行きました。小さいですが形の良い滝です。弘法大師が名付けたということで、あちこちに足跡を残されています。
滝から少し戻って北尾根登山道に入ると気持ちのよい森になります。すっかりと葉が落ちてふかふかの登山道です。葛城山ではギフチョウが天然記念物に指定されていて、カタクリなども見られるようです。
ダイアモンドトレールに合流すると立派な階段が出現します。この階段に最後まで悩まされました。
葛城山(959m、正式には大和葛城山)の頂上は広場になっています。地表は霜がついて白くなっています。
これから向かう金剛山が見えました。天候は良いのですが、冬型になっているせいか、雲の多い天気です。
葛城山の斜面は一面ツツジがあり、シーズンになれば真っ赤になり人も満員になります。展望台も設けられていますが、「転落注意」 の注意書きもあります。確かに混雑して後ろから押されたりすれば危ないでしょう。
葛城山からは400m以上急降下して、そこから金剛山へ550mほど登り返します。
葛城山からこれでもかという長い階段を下りて水越峠へ。ここから舗装の所もある林道を進みます。林道わきに金剛の水という水場があります。葛城山と金剛山頂上の施設以外には水場はここと、もう1か所しかありません。縦走するときには貴重な水場で、最近ではネットで水場の情報が得られるので助かります。
再び山道に入るとよく手入れされた美しいヒノキ林が広がります。林業の方から、荒れた雑木林より、手入れの行き届いた人工林の方が美しいと言われたことがあります。天然林が放置されて、あまりにも荒れていることも問題でしょう。
先ほど登った葛城山を振り返ります。広々とした山頂が見えます。
15時前ににようやく金剛山に到着しました。大阪府の設置した立派な標識があります。
これ以外にも石の立派な標柱(ただしダイアモンドトレールと書かれているだけで、あまり役に立たない?)や大阪労山の設置したもの、環境庁や府県の設置した木製のもの、行者さんのためのもの、いろいろな標識がありました。
金剛山の山頂付近には神社や展望の広場、それに広大な「ちはや園地」などがあり、ここが金剛山の頂上という場所はないようです。最高峰は葛木岳(1125m)、三角点は湧出岳となっています。
山頂広場からは大阪のビル街が望めます。
広場の近くに金剛錬成会員の名簿があります。最近は毎日登山などの場所も多いようですが、金剛山は古くからこうした登り方が盛んです。手前にある鉄棒のようなものは上半身も鍛えるためでしょうか。
頂上にある葛木神社です。副祭神は金剛山に千早城を築いた楠木正成で、家紋の菊水が石柱などに彫られていました。
神社近くの夫婦杉です。
金剛山にはブナ林もあります。比良などに比べると本数は少ないですが、大きな木が多いです。
ちはや園地の展望台から明日向かう岩湧山を望みます。まだ16時頃ですが、陽が短くなりました。
ちはや園地テント場でテントを張りました。今回も風雨の心配もなかったので、ツエルトとトレッキングポールでテント代わりにしました。日曜日の夜ということで、広いテント場は私だけでした。
山の天気予報では頂上付近はマイナス8℃くらいとなっていましたが、シュラフは重い冬用を担いできたおかげで寒さは感じませんでした。カイロも足、腹、背中にペタペタと張りました。
12月12日(月)
起きるとツエルトの内側は結露して、凍って少しバリバリの所もありました。
6時過ぎ、わずかに明るくなってから出発。今朝は快晴で、少し行くと朝陽がさしてきました。
ダイアモンドトレールは、大峰山と並ぶ修験道の聖地である葛城修験道の一部でもあります。
葛城修験道は瀬戸内海の友ヶ島から二上山の先まで伸びているようです。
祠がたくさんあって、これは行者杉にある祠です。
金剛山からも人工林が続きますが、やがて天然林も出てきました。この辺は階段もなく、落ち葉の積もった気持ちよい道です。
立派なアカマツもありました。昔はマツタケも採れたのでしょうか。
しかし快適な道も終わり、紀見峠への下りはやはり地獄の階段です。縦走大会の時は最後のここで足がつりました。
紀見峠は以前は山の中にポツンと標識があっただけのように覚えていますが、今は立派な道路が横切っています。100mほど林道を歩いて岩湧山への登山道に入ります。
三合目の手前で今日初めて人に出会いました。錫杖を持った白装束の修験の方で、近くの祠でお経をあげておられました。この標識は修験の方のためのようです。
五ツ辻の手前にも地図やガイドブックには出ていませんが、錦命水という水場がありました。少し細めでしたが、トレランのように荷物を最小限にするような人には貴重な水場です。
最後まで階段や林道もあって、紀見峠からすぐの南海電車の駅に下山したほうがよかったとも思いながら、よい加減いやになって歩いていましたが、やっと岩湧山(897m)に到着。
頂上の眺めを見て、やはりここまで来てよかったと思い、疲れも吹っ飛びました。
一つは頂上一面に広がるカヤの大群落で、ちょうど白い穂をつけていました。このカヤは茅葺の材料として利用されているようで、「ふるさと文化財の森」に指定されていました。
この草原の中に踏み込む不心得者もいるようで、警告の標識もありました。
もう一つは広大な展望で特に南と北が開けています。
南側には大峰山系の弥山・八経ヶ岳が、空気が澄んでいるせいか、意外に近くに見えます。
上の方は少し白くなっています。
その左には吉野から山上ヶ岳、弥山に延びる大峰奥駈の道が見えます。昨年そちらからも金剛山がよく見えました。
歩いてきた大和葛城山、金剛山を振り返ります。帰ってからカシミールで調べると、大和葛城山の左には鈴鹿の御在所や鎌が岳も見ていたようです。
北側は広大な大阪平野が広がります。遠くに山もたくさん見えますが、六甲山くらいしかわかりません。白い塔はPL教団の塔のようです。
岩湧山の頂上は広場となっています。
頂上を後に、いつものごとくバスの時間を気にしながら下山します。最近は休憩を含めるとなかなかコースタイムとおりに歩けません。もう少し早く出発したらと後悔しました。
途中、まだ紅葉が残っていました。
15:40に滝畑の登山口に到着、食堂などもありました。
そこから10分ほどにあるコミュニティーバスの停留所から南海電鉄河内長野駅に行き、JRに乗り継いでバス停から約3時間で瀬田駅まで帰りました。
交通費は全部で4,000円弱、テント泊なので費用はこれだけで安く楽しめました。
今回久しぶりに歩いてみると、比良の全縦に比べると階段が多く、また水越峠前後の登り下りが大きく、大阪労山のダイトレ40kmコース(二上山~紀見峠)の縦走を再度やろうという気にはなれませんでした。やはり21年前は元気だったようです。
大阪のダイアモンドレールは1970年に大阪府によって整備された自然歩道で、ネットの情報によると比良縦走、六甲縦走とならぶ関西地方を代表する縦走路とされています。
私が以前所属していた大阪労山では、毎年ここで縦走大会が行われていて、私も21年前の若かりし頃(と言っても、今からするとですが)に参加しました。
コースは二上山から金剛山を経て紀見峠までの40kmで、その時に7時間15分で歩けた(走った?)ことから、1日目は二上山から金剛山まで楽勝と思ったのですが、昭文社などのコースタイムを調べると、とても無理ということが分かり、途中の大和葛城山から入ることにしました。
自宅の瀬田駅を6時過ぎに出て、JR、近鉄、バスを乗り継いで葛城ロープウエー前に9時頃に到着、ここから右の車道を少し進んですぐに登山道に入ります。
少し寄り道をしてクジラの滝を見に行きました。小さいですが形の良い滝です。弘法大師が名付けたということで、あちこちに足跡を残されています。
滝から少し戻って北尾根登山道に入ると気持ちのよい森になります。すっかりと葉が落ちてふかふかの登山道です。葛城山ではギフチョウが天然記念物に指定されていて、カタクリなども見られるようです。
ダイアモンドトレールに合流すると立派な階段が出現します。この階段に最後まで悩まされました。
葛城山(959m、正式には大和葛城山)の頂上は広場になっています。地表は霜がついて白くなっています。
これから向かう金剛山が見えました。天候は良いのですが、冬型になっているせいか、雲の多い天気です。
葛城山の斜面は一面ツツジがあり、シーズンになれば真っ赤になり人も満員になります。展望台も設けられていますが、「転落注意」 の注意書きもあります。確かに混雑して後ろから押されたりすれば危ないでしょう。
葛城山からは400m以上急降下して、そこから金剛山へ550mほど登り返します。
葛城山からこれでもかという長い階段を下りて水越峠へ。ここから舗装の所もある林道を進みます。林道わきに金剛の水という水場があります。葛城山と金剛山頂上の施設以外には水場はここと、もう1か所しかありません。縦走するときには貴重な水場で、最近ではネットで水場の情報が得られるので助かります。
再び山道に入るとよく手入れされた美しいヒノキ林が広がります。林業の方から、荒れた雑木林より、手入れの行き届いた人工林の方が美しいと言われたことがあります。天然林が放置されて、あまりにも荒れていることも問題でしょう。
先ほど登った葛城山を振り返ります。広々とした山頂が見えます。
15時前ににようやく金剛山に到着しました。大阪府の設置した立派な標識があります。
これ以外にも石の立派な標柱(ただしダイアモンドトレールと書かれているだけで、あまり役に立たない?)や大阪労山の設置したもの、環境庁や府県の設置した木製のもの、行者さんのためのもの、いろいろな標識がありました。
金剛山の山頂付近には神社や展望の広場、それに広大な「ちはや園地」などがあり、ここが金剛山の頂上という場所はないようです。最高峰は葛木岳(1125m)、三角点は湧出岳となっています。
山頂広場からは大阪のビル街が望めます。
広場の近くに金剛錬成会員の名簿があります。最近は毎日登山などの場所も多いようですが、金剛山は古くからこうした登り方が盛んです。手前にある鉄棒のようなものは上半身も鍛えるためでしょうか。
頂上にある葛木神社です。副祭神は金剛山に千早城を築いた楠木正成で、家紋の菊水が石柱などに彫られていました。
神社近くの夫婦杉です。
金剛山にはブナ林もあります。比良などに比べると本数は少ないですが、大きな木が多いです。
ちはや園地の展望台から明日向かう岩湧山を望みます。まだ16時頃ですが、陽が短くなりました。
ちはや園地テント場でテントを張りました。今回も風雨の心配もなかったので、ツエルトとトレッキングポールでテント代わりにしました。日曜日の夜ということで、広いテント場は私だけでした。
山の天気予報では頂上付近はマイナス8℃くらいとなっていましたが、シュラフは重い冬用を担いできたおかげで寒さは感じませんでした。カイロも足、腹、背中にペタペタと張りました。
12月12日(月)
起きるとツエルトの内側は結露して、凍って少しバリバリの所もありました。
6時過ぎ、わずかに明るくなってから出発。今朝は快晴で、少し行くと朝陽がさしてきました。
ダイアモンドトレールは、大峰山と並ぶ修験道の聖地である葛城修験道の一部でもあります。
葛城修験道は瀬戸内海の友ヶ島から二上山の先まで伸びているようです。
祠がたくさんあって、これは行者杉にある祠です。
金剛山からも人工林が続きますが、やがて天然林も出てきました。この辺は階段もなく、落ち葉の積もった気持ちよい道です。
立派なアカマツもありました。昔はマツタケも採れたのでしょうか。
しかし快適な道も終わり、紀見峠への下りはやはり地獄の階段です。縦走大会の時は最後のここで足がつりました。
紀見峠は以前は山の中にポツンと標識があっただけのように覚えていますが、今は立派な道路が横切っています。100mほど林道を歩いて岩湧山への登山道に入ります。
三合目の手前で今日初めて人に出会いました。錫杖を持った白装束の修験の方で、近くの祠でお経をあげておられました。この標識は修験の方のためのようです。
五ツ辻の手前にも地図やガイドブックには出ていませんが、錦命水という水場がありました。少し細めでしたが、トレランのように荷物を最小限にするような人には貴重な水場です。
最後まで階段や林道もあって、紀見峠からすぐの南海電車の駅に下山したほうがよかったとも思いながら、よい加減いやになって歩いていましたが、やっと岩湧山(897m)に到着。
頂上の眺めを見て、やはりここまで来てよかったと思い、疲れも吹っ飛びました。
一つは頂上一面に広がるカヤの大群落で、ちょうど白い穂をつけていました。このカヤは茅葺の材料として利用されているようで、「ふるさと文化財の森」に指定されていました。
この草原の中に踏み込む不心得者もいるようで、警告の標識もありました。
もう一つは広大な展望で特に南と北が開けています。
南側には大峰山系の弥山・八経ヶ岳が、空気が澄んでいるせいか、意外に近くに見えます。
上の方は少し白くなっています。
その左には吉野から山上ヶ岳、弥山に延びる大峰奥駈の道が見えます。昨年そちらからも金剛山がよく見えました。
歩いてきた大和葛城山、金剛山を振り返ります。帰ってからカシミールで調べると、大和葛城山の左には鈴鹿の御在所や鎌が岳も見ていたようです。
北側は広大な大阪平野が広がります。遠くに山もたくさん見えますが、六甲山くらいしかわかりません。白い塔はPL教団の塔のようです。
岩湧山の頂上は広場となっています。
頂上を後に、いつものごとくバスの時間を気にしながら下山します。最近は休憩を含めるとなかなかコースタイムとおりに歩けません。もう少し早く出発したらと後悔しました。
途中、まだ紅葉が残っていました。
15:40に滝畑の登山口に到着、食堂などもありました。
そこから10分ほどにあるコミュニティーバスの停留所から南海電鉄河内長野駅に行き、JRに乗り継いでバス停から約3時間で瀬田駅まで帰りました。
交通費は全部で4,000円弱、テント泊なので費用はこれだけで安く楽しめました。
今回久しぶりに歩いてみると、比良の全縦に比べると階段が多く、また水越峠前後の登り下りが大きく、大阪労山のダイトレ40kmコース(二上山~紀見峠)の縦走を再度やろうという気にはなれませんでした。やはり21年前は元気だったようです。
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